2021-01-01から1年間の記事一覧
2021年の終わりが近づいてきた。年の瀬。ひと足早く妻の実家、長野県岡谷市に帰省している。ぼくは47歳で妻の両親は70代で、お義父さんが今年倒れて死ぬところだった。入退院と手術を繰り返して、日常生活を支障なく送れるところまで回復した。歩け…
"われわれのなかにあるもっとも原始的なものを掘り起こし、それを現在に活かす道を見つけることが、これからのわれわれのひとつの目標になるだろう"鶴見俊輔全集「日常生活の思想」 東京を離れて5年が経った。いまは茨城県の里山に暮らしていて、世間の動き…
これで五回目の炭焼きだった。2回は失敗して、2回成功した。今回の火入れを担当した。けれども失敗してしまった。自然を利用することの難しさ。それ以上に自分がやるということの責任を痛感した。というよりも、自分がやるという一択しか存在しないと思い…
阿久遺跡に行った。妻の実家からクルマで30分の長野県諏訪地方にある、縄文時代の遺跡。約6000年前にここに村があり、その中央には祭祀をする場所が発掘されている。昭和50年に中央道を建設する際に発見され調査を経て、再び高速道路の下に埋め戻され、い…
これはコトバにしたい。忘れてしまう前に。 木曜日の朝、目が覚めてから体調が優れなかった。それでもやるべきことはあって、炭焼きの木を伐りに山にいかなければならなかった。師匠の有賀さんが呼びにきて平さんと3人で山へ入った。いつもこの3人で炭焼き…
考えていることに澱みがなくなるにはどうしたらいいのだろう。シンプルになるために沈んでいこうとすると、周りが暗くなって、それではダメなような気がして、また騒ぎの最中に戻っていこうとする。 雑音が多いとしても、雑音を耳に入れなければ、その音は環…
生きるための芸術は、人生をつくる物語だ。その日その日の出来事をコトバにすることで、その道をつくる。その道とは、生きるための目的だ。何のために生きるのか。時間という流れが生から死に向かっていく。どこへ流れていくのか、その行き先が目的だ。ぼく…
生活を作ったら、それは自由を手に入れることだった。朝起きて自分のやることを自分で決める。 コーヒーを淹れてトーストを焼いてバターと砂糖をつけて食べる。ストレッチをする。走ろうと閃き、犬を連れて外に出る。全速力で走る。犬がトレーナーになってく…
図書館にいくと、宛もなく棚を彷徨って背表紙を見て手に取りページを捲る。また棚に戻して歩き回るうちに、宝物をみつける。興味しかないゾーンに到達する。昨日は民俗学、文化人類学の棚がそれだった。 図書館は自分の興味を鏡のように写し出してくれる。人…
何のために文章を書くのか。ぼくの場合は自分を知るために書いている。現在地を記して俯瞰する。してきたことが点在して、それらが星座のように繋がって何を作るべきか道を照らしくれる。 友達が井戸を掘ってくれたとき、粘土が出てきた。自然のもので作品を…
持ち上げる人。彫刻を作った。山から切り出した檜をチェンソーで削った。重いモノを持ち上げている、そういうイメージが浮かんだのがはじまり。人間は何かを背負っている。キリストは十字架、主人公は運命を。 シジフォスはギリシア神話で、罰を受けて重荷を…
出版した本「廃墟と荒地の楽園」を送った新聞社が取材してくれた。記者さんが「自然のなかに生活を作って凄いなと思いました。けれども私にはできない。石渡さんは何を伝えたいのですか」と質問した。 本には言うべきことすべてが書いてある。でも答えではな…
自分のしていることが大切なことだと実感しながら日々を生きている。それは誰もが同じように感じていることで、大切なことはそれぞれにある。それぞれの大切さに優劣をつけて自分のしていることを意味のないものだとすれば、生きるチカラを失ってしまう。だ…
白とは紙をつくること。黒とは墨をつくること。生きるための芸術というコンセプトのもと表現を探求してきたその先の展望が見えた。この話の着地点はかなり遠い。それでもアフリカで家を建てて、その経験をもとに空き家を改修して家をつくる技術を習得したこ…
1週間もここに文章を書かないと落ち着かなくなってくる。大切なものを置きっぱなしにして忘れてしまうような。 ウィルスへの緊急事態が解除されて、感染者数も減って人の動きが出てきた。ぼくは田舎の山暮らしだから、約2年ほど、誰も訪ねて来なくて、それ…
次の展開へと移り変わる時期にいる。そう感じている。10年前にライフスタイルをつくると芸術家を目指して、今現在は、芸術家として暮らしている。それがどう評価されるのかは別の話として、とりあえず夢は叶い、それをして日々を生きている。 明日、明後日…
海を見ると波があって、あれなら乗れそうだとか、あれは大きいとか判断する。実際に海に入ってみると、波の大きさは、遠くから見たのとはまた違っていて、ときには聳える壁のようにも感じることがある。 できないことをできるようにする、という行為には段階…
お金の使い方について妻と意見が食い違って、結果、自分が一か月間「買い物をしない」ということになった。妻は買い物するから生活には困らない。面白いことに「しない」を選択すると「する」ことと徹底的に向き合うことになる。 例えばムスリムにはラマダン…
9月に久しぶりの個展をやった。春頃から準備して作品を作ってそれらを並べて展示して、これまでのクリエイティブを放出した。日々の取り組みが作品に反映されるから、個展のたびに展示内容は変わっていく。展示のために制作している訳ではないから、展示が決…
本を出版した。これはひとつの結果であり始まりでもある。常に自分のテーマになっている「BEFORE AFTER THE END」の循環。 ぼくは本が好きで、そもそも本をつくることから自分のアート活動は始まった。スケッチブックにコラージュして文章を書いて、ページを…
楽園だった。 朝起きて6時には海に入っていた。夏は終わり秋が始まろうとしていた。北茨城の平日の海はほとんど誰もいない。ぼくはサーフボードに跨って海の上にいた。 あったはずの波が弱くなって、曇っていた空の隙間から太陽が出てきて、光の筋が海に降…
展示の最終日になった。絵を描いて、オブジェを作って、それらを並べて鑑賞してもらう。それらを買ってもらう。地方だけれど老舗ギャラリーということもあって、ギャラリーで展示するという流れを経験できた。 そのおかげで、自分の表現の場所を再確認できた…
80年代から続くギャラリーいわきでの展示も残すところ2日。このギャラリーを運営する藤田忠平さんと過ごす日々こそが今回の展示の貴重な時間だと思った。 忠平さんは、北茨城市に生まれ、田舎に育ったのにアメリカに渡り、まさにラブ&ピース、ピッピーカル…
ぼくは妻と二人で芸術家を仕事にしている。一緒にひとつの作品をつくる。いまギャラリーで個展をしている。展示をする目的のひとつは作品を売ること。もうひとつは作品を鑑賞してもらうこと。たまに「作品を買えなくてごめんなさい」と言ってくれる人がいる…
いわき市のギャラリーで個展が先週末から始まった。アートで生きていく。これがこの10年の目標だった。それをするために生活そのものを作ってきた。なぜなら、作品はその人間を表現する。何を食べて何を見て何を考えて、その日々の所作が作品に反映される。 …
やりたかった夢のひとつに本を出版することがあった。理由は本が好きだからで、とてもシンプルなことだ。しかし、本を出版するということは、なかなか難しくハードルが高い。本をつくるだけなら、まだ比較的難易度は低い。何か書いてある紙を束ねれば、それ…
今年のお盆は雨が降り続いて、西日本では災害も起きるほどだった。自分が暮らしている場所は、夏が終わってしまったようだった。けれど雨が続くと、屋外の仕事がなくなり、創作活動に専念できる。サーフィンにも行こうと考えなくなる。 雨が続いている間、冬…
1週間にひとつぐらいは考えたことやしたことをメモしておきたい。昨日は友人の音楽家松坂大佑のアルバムのブックレット・デザインをした。 1日という単位のなかで、仕事や遊びや楽しみや不安や未来への投資など、できることを展開している。投資と言っても…
自分にとってのアートの最前線は「桃源郷づくり」で、これは景観をつくって、訪れたひとに「ここはいいところだね」と感じてもらうランドスケープアートであり、大地から溢れる草たちを美容師のように刈り込んでいくおよそ芸術っぽくない作業でもある。 限界…
データのすべてを消失してしまった。原因はPCのウィルスだった。コロナウィルスで騒がれている今、まさか自分がPCのウィルスにやられるとは。 ウィルスはランサムウェアというもので、データを暗号化し使えなくして、暗号化を解除する代わりに身代金を要求し…