いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

担ぐ人/The Lifter

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持ち上げる人。彫刻を作った。山から切り出した檜をチェンソーで削った。重いモノを持ち上げている、そういうイメージが浮かんだのがはじまり。人間は何かを背負っている。キリストは十字架、主人公は運命を。

シジフォスはギリシア神話で、罰を受けて重荷を担いで山を登る。登った途端にはじまりからやり直させられる。それを永遠に繰り返している。シジフォスの話は、このオブジェを削っているときに本で読んだ。

妻にこの像のアイディアを話したら

「辛いことなの?」

と聞かれた。

どうやっても人間は何かを背負って生きていかなければならないのだと思う。だからあらゆる芸術が必要とされてきた。だとして、何かを背負って生きていくことは希望でもある。やるべきことがある。それを喜びに変えることもできる。