いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

2017-01-01から1年間の記事一覧

夢中になるとき、ユートピアが現れる 

愛知県津島市での2軒目の空き家改修が完成した。依頼主はシンガーソングライターのまのあけみさん。そこにある材料で、できるだけ低予算でやるというオーダー。まのさんは、2年前の津島市の空き家改修ルミエールの仲間でもあり、僕たちの本、生きるための…

心が動くままにつくること

茨城県の北茨城市の奥地で、古民家を改修していて、古材を切り落とした端材に目が止まった。それがこれ。 ぼくは、アートが好きで常につくっていたい。シンプルに言えば、没頭しているのが好きだ。なかでも、偶然現れるカタチが好きで、どうやったらそれに遭…

自分が強く正しいと思うとき、それは間違っている

美しい場所をみつけた。いま改修している古民家の裏の景色。耕作放棄地の奥には手入れされないままの森林。緑色は針葉樹林で、戦争中に植林された。家族親戚総動員でやったそうだ。将来、資産になる見込みだったから、日本中で植林をして、どこの山も杉や檜…

どんなに技術が進歩しても「もうこれでいい。充分ということはない」

Nightmares on waxの新曲MVに刺激を受けて、映像作品を作りたくなった。「Back to nature」と題された作品は、コラージュの映像版で、人類が文明化していく様子を、洗練されセンスで編集し、観る人を太古から現代まで旅に連れていく。 ぼくは、いつも勘違い…

平潟港漁夫の今昔物語

北茨城市は北側のトンネルを抜けると、すぐに福島県いわき市になり、そこに、近隣のひとたちが利用する小さな温泉がある。そこに行くと、いつも地元の人の話が聞ける。 今日は60歳後半の漁師、ジンサンの話。 平潟の海は、昔から豊かで、明治時代から漁業…

イタチと人間

「あっイタチ!」北茨城市にある栄蔵室(882m)に登りに行ったときのこと。同行者たちがざわめいた。イタチは普段から、この辺に暮しているのだから、ぼくらが進入者で、むしろイタチの方が「あっ人間!」と、走り出したのだと思う。 栄蔵室は、茨城県単独…

本を読むのではなく、自分にインストールする方法

本には、見る、読む、インストールするの3つの使用方法がある。今回、紹介するのがインストール。つまり、本を読みながら、その世界を体験する。面白い本に出会ったことがあれば、きっと知っている感覚。文字の並びが、いつの間にか景色に変わり、物語の空…

生きるを演じるということ。

ぼくは、石渡のりお。1974年、東京の武蔵野市に生まれ、2017年のいま、茨城県の北茨城市に暮らしている。いま住んでいる関南町は、大津港が近くで、走って20分くらいで海に着く。なかでも、自然がそのままの長浜海岸が好きだ。先月までは、廃校に…

遠くに行かなくてもできる旅。

北茨城市の古民家の改修をしている。茅葺き屋根をトタンで覆っていて、屋根裏は、かつて火を熾して暮らしていた煤で真っ黒になっている。この屋根裏をロフト兼、吹き抜けの天井にしようとしている。 家は、ほんとうに不思議な出来事を起こす。この家を改修す…

好きなことを続けるのは、おカネのためではない。その経験や技術が人生をつくる道になる。

今日という日、そしてその時に感じたこと、その気持ちも、その瞬間にしか存在しないから、メモしておく。 2014年から2016年にかけて、空き家を改修して、その経験が仕事になってきた。愛知県で内装を依頼され、東京のマンションの内装を相談され、北…

生活はリズム

今日は、六本木ヒルズ主催のイベント、hillsbreakfastに登壇してスピーチをした。 「pechakucha」という20枚のイメージ写真に対して20秒ずつコメントしていくプレゼンテーション方式。 ぼくは、これまでの活動を20枚の400秒にまとめた。結論、ぼく…

「生きる」の旗をアートのど真ん中に突き立てたい。

いくつかの夢が叶ったので、独立独歩会議としてのメモ。ぼくにとって自然は大先生。その営みを学ぶ環境に身を置きたい。今日は、北茨城市と共につくるギャラリー兼アトリエの作業をスタートした。目標は「わざわざこんな場所に来る」。何ができるのか分から…

桃源郷をつくる仕事をみつけた

やりたいことをやって生きると決意して、4年が過ぎた。1年目は、ヨーロッパとアフリカを旅して、2年目、3年目は、空き家を巡る旅をした。4年目に突入して、いまそれを題材に2冊目の本を書いている。 なんとも不安定ながら、よく生きてきたなと感心する…

作品をつくること。自信過剰の自信喪失。

久しぶりに落ち込んだ。ほとんど躁病とも言える性格なのに自信喪失の闇に落ちた。 きっかけはチフミの「ミラーボーラーズやチームラボに比べて作品が良くない。写真でみても自分たちの作品はどれもよくない」という言葉だった。チフミは何気なく思ったことを…

やっぱり「生きる」「つくる」にしか興味がない。

ぼくのテーマは、はっきりしていて「生きること」。それは成功することやおカネを稼ぐことじゃない。残念ながら。成功やおカネは、生きることの一部でしかない。だから、ぼくは、自然を先生にすることにした。海や森、木、風や火、水や土。自然は、生きる達…

世の中の現実がぼくの日常を超えてしまった。

本を書きたいと思ったのは、28歳のとき。それからずっと書いている。何かしら。ようやくカタチになって今年の5月に出版流通されたのが「生きるための芸術」。考えてみれば10年以上。とくに誰にも認められないけど続けた。継続はチカラなんてものじゃな…

見えなくても伝わらなくても結果が出なくても評価されなくても、大切なモノコトがある。

友達から「家に木材がたくさんあるから、使わない?」と連絡があった。 行ってみると、友達の亡くなったお父さんが銘木を集めていたらしい。珍しいカタチと模様の木だったのでいくつか戴いてきたのが7月の頭。で7月の20日頃、お客さんが家に泊まりに来る…

同じ今日はない。毎日を違う今日に。

自分に聞いてみる。「何がしたい?」ぼくは答える。「世界中の人に出会い、人間をもっと知りたい」 行動力さえあれば、いますぐ、したいことはできる。同じ毎日のようだけれど、毎日を違う今日にもできる。1日をその日に完成させる。明日はない。今日という…

知ってる道、知らない道 生きるための道。

朝、走っているとき、ふと、いつもは気づかない道をみつけた。どこへ続くのか分からない階段がある。走るのをやめて、階段を登ってみた。落ちていた木の枝で蜘蛛の巣を掻き分けながら、自然に飲み込まれて消えようとしている道を歩いた。予測不能な気配にド…

お金も家も仕事も幸せハッピーに生きるための道具でしかない。

昨日、テレビ神奈川の番組に出演してたくさん話したのだけれど、それでも言い足りないことがある。だからここに書いておく。 ぼくは嫁と2人でアーティスト檻之汰鷲(おりのたわし)になる。嫁と夫。女と男。男は女を必要とし、女もまた然り。夫婦として共に暮…

それでも夏はやってくる。ワクワクして寝れない子供たち。

海水浴場にペットボトルのSUPを持っていき、ライフセイバーさんと海水浴場を開いている市の担当者に相談すると、手作りSUPの試乗会を11日、12日、13日の連休でやってくれることになった。小学生以上を対象に開催され、述べ30人ほどが体験してくれた…

ペットボトルの筏は現代アートになるのか。

ペットボトルで筏をつくった。ぼくはこの数年、舟をつくりたかった。北茨城市で、和船に出会ったけれども、その重さに怯んでしまった。仮に木材で和船をつくっても、運搬もできないし保管場所もない。もう少し、やるべき理由が重なるまで保留にすることにし…

多くの人が経験しているだろう「商売」について、改めて社会を動かすチカラを持っていることについて。

多くの人が経験しているだろう「商売」について、ぼくは今年、フジロックでBARをやって、生まれて初めて体験した。 BARとはお酒を仕入れて、コップに注いだり、カクテルをつくったりして要するに仕入れ値の何倍かで売ることができ、目の前で錬金術のようにお…

芸術の語源はars(技術)。生きるための芸術を求めて日常を冒険するアート

ぼくは嫁と北茨城市に暮らしている。生活そのものをつくり変えたいと考えて、世界を旅して各地で学んだことを3年かけて日本で実践して、仕事にならない日常を冒険してきた。家賃を安くするために愛知県の空き家に暮らして、船をつくる技術を身につけるため…

「できない」も大丈夫。続ければ別のことが「できる」。

板でサーフィンはできないのか。友人から譲り受けた木材があまりにサーフボードみたいだったので、海に行ってやってみた。その木は、海に沈まなかった。できるような気もするけれど、そもそもぼくはサーフィンができない。 Facebookにこの出来事を投稿したら…

ぼくたちの失敗。絵を売ること。

オークションイベントに東京半蔵門で参加した。80x80cmとA3サイズの2点を1週間展示して、欲しい人が値段をつけることができる。ぼくたち夫婦はゼロ円スタートにした。そうすれば、欲しい人が手を出せると考えた。 イベントの最終日に2日間に渡ってオ…

オークション価格0円スタートで誰もがアートを手に入れる機会を。

久しぶりに都内で作品を販売します。しかも、オークションなので0円スタートにしました。作品は人に見られて成長します。だからぜひギャラリーで実物見てください。作品の価値を決めるのは、観賞者で、観賞者の心が動いたとき、価値が生まれ作品は完成する…

朝日のあたるYeah!

今朝日の出を採取しに浜へ出かけた。たっぷり太陽のチカラを吸収した作品「朝日のあたるYeah!」 Yeah! of the rising sun80cm × 80cmwasted lumber, acril, mirror, sun energyこの作品は 6月27日~7月2日まで半蔵門のANAGRAにて展示され 7月1日には …

信じれば美しく機能する

頭に浮かんだモノを取り出してカタチにすること。それは動くこと。カタチを取り出すには、いろんな方法がある。メモ、言葉、写真、スケッチ。ぼくは長い間、コラージュというテクニックを使ってきた。最近は、何でもよくなって、目の前にある素材を使う。い…

Noと叫んだり誰かを責めるばかりではなく行動ある生活を。

古い家を巡って、かつての暮らしを採取するうちに、日本という土地に続く歴史が見えてきた。江戸時代から明治時代、大正から昭和。その延長線に生きていて、かつての人々と同じように未来へ続く今をつくっている。 ぼくたちは、アメリカ人でもイギリス人でも…