いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

不用品のなかの美しさ

日曜日に薪づくりをしようと準備をしていたら電話が鳴った。「もしもし。お皿と木があるから使いませんか。以前新聞でそういうものを集めていると読んだので」 という話だった。家を直すための廃材を集めた去年の新聞記事を読んで覚えていたのだろうか。妻チ…

表現の深層へ

作品集をつくっている。振り返ってみれば「表現したい」という強い意志だけがあった。何かを学んだわけではないけれど好きなことだけはあった。音楽、漫画、アニメ、小説、映画、物語の世界に没頭するのが好きだった。 はじめは文字をつくった。物語世界の設…

生活の中の小さな活動/一日の積み重ね。

生活の中の小さな活動に焦点を当ててみたい。「自らの小さなことの偉大さを気づかないものは、すべての小さな偉大さを見逃してしまう」と明治時代のアートプロデューサー岡倉天心が書いている。自分にとっての小さなこととは、日々の些細な出来事だと思う。…

はじめに「死なない」基本設定をつくること

芸術家を目指してきた。理由はもっとも解釈が自由な職業だから。職業だということはそれを収入にしている。絵を売ることに加えて生活もつくってきた。生活をつくるとはライフスタイルをつくることでもある。どんな場所で、どんな仕事をして生きていくのか。…

檻の中の鳥が大空を羽ばたく自由な鷲になる方法

自分が何をしているのか、何度でも問い直す。毎日確認してもいいのかもしれない。ムスリムのように1日5回、問い直せばいい。なぜなら毎日、寝て起きて、死んで生まれ直している。昨日の想いが、今日へ引き継がれるとは限らないし、明日には忘れているかも…

身の回りのモノを利用して生き延びる技術。

職業は芸術家。集落支援員。妻と二人で限界集落に暮らして、その行く末を見守るだけではなく、日本の端っこ、自然に囲まれた田舎の未来をつくる仕事をしている。芸術家としては、日々、文章を書いて絵を描いて、立体作品をつくって、土器づくりの準備を進め…

今日という一日。たくさんの出来事が織り成して、次への足場をつくる<後編>

<前編はこちら> norioishiwata.hatenablog.com 家にいた妻チフミが「今日は友達がタロットをはじめたって遊びに来たよ。窯を使ってみたいとピザを焼いたけど扱いが難しかった」と言った。 夕方からは、窯でパンを焼くためのパン生地づくりの作戦を練った。…

今日という一日。たくさんの出来事が織り成して、次への足場をつくる<前編>

陶芸の師匠のところに遊びにいく約束だった。窯をつくったら「いろいろ教えたいことがあるから」と声を掛けてくれた。北茨城市に暮らす陶芸家の真木さんは、3年前、弟子にしようと言ってくれた。でも陶芸がやりたい訳ではないのでほんの少しだけ教えてもら…

モノの役割。役を読み換えて世界を演じさせる。

夜寝て、朝目を覚ます。今朝は、霜がおりていた。いよいよ冬になった。世界は変わっていく。小さなことも大きなことも。 昨日の夜、種から育てているマンゴーの苗木を家の中へ入れた。もし出しっぱなしだったら枯れていただろう。夜と朝の間に、死と生があっ…

夢かもしれない。でもその夢を見ているのはひとりじゃない。

とても生きるのが難しい時代だと感じる。情報やモノに押し流されそうになる。だから、自分が生きるための環境をつくることにした。絵を描くにしても、絵を描く環境に左右される。されない人もいるかもしれない。厳しい環境に身を置いた方がいい絵が描けるの…

自然が裸になるとき/NAKED NATURE

つくること。作品にすること。表現すること。現代社会では、それをお金に変えてはじめて評価される。何千万円で売れた絵画は成功の称号を与えられる。いま人類にとって必要なことは、そういうことなのか、と大真面目に疑問に思う。 したいと感じることをカタ…

就職しないで生きていくこと

週末ラジオ番組を生放送した。「NINJA HOUSE CLUB」茨城県常陸太田で友達の音楽家SINSENくんは、この古民家を拠点にゲストハウスを運営し、ギター教室をやって、本人は音楽家、DJとして活動している。2年ほど前にようやく、このスタイルに辿り着いたと話し…