2020-01-01から1年間の記事一覧
今年も生き延びた。コロナ禍の一年だったから、ほんとうにこの環境に感謝しかない。いつも一緒に制作してくれる妻に。この場所を与えてくれた北茨城市に。地域の方々へ。生活芸術という活動を理解し応援してくれる人に。これを読んでくれる人に。 2020年は「…
炭窯づくりに失敗した。これで2回目。前回の反省点(古い窯の再利用では土が定着しない、乾いた土を使うこと、大人数でやると細部への配慮が届かない)を生かしてやったけれども、窯の天井は落ちてしまった。 そもそも窯を作るのは、人間がしてきた生きるた…
炭窯に火をつけた。まずは入口の土を焼き固める。炭窯づくりをしているのは炭を焼いて売るためというよりも、炭をつくるとはどういうことなのか、それを知るためにやっている。お金に換算したらとてもやってられない。それでもやる理由は、人類が30万年前か…
井戸水を汲み上げた水道が凍った。12月15日。朝5時に確認。今年の春から手作りの生活環境に暮らしている。水が凍るとは予想していたけど、思いのほか早かった。たぶんお昼頃には溶けるだろう。冬がやってきた。 週末は「アート・ミーティング」という活…
本が好きで、読むのもそうだし、本というモノ自体も、読書という体験が好きだ。文字が書かれた紙が束になっていて、文字を追ってページをめくるうちにその世界へ没入していく。それが読書体験だと思う。昨日読み終わった「意味の深みへ」井筒俊彦著は、まさ…
目標に到達した。土と水と火と風、自然のエレメントだけで作品を作ることに成功した。何も買わずに自然だけを利用して作品をつくることができた。土器だ。と言っても野焼きで素焼きしただけなので、もう一回、窯で焼き締めたい。 モノをつくるとき、そのモノ…
馬をつくっている。パピエマシェという技法で紙を重ねてつくる。そうやって動物をつくるときそのカタチに驚く。どうしてこんな形が存在するのか。驚くと同時にそのカタチの細部を追っていかないと馬にならないことに驚く。油断すればときに犬にも見えてしま…
宮本武蔵が遺した「日常が戦場になれば、戦場が日常になる」という文章を読んだとき「生活が芸術」になったらどうなるんだろうと閃めきました。意味は伝わるでしょうか? なんとなく分かるんですが、まるで禅問答のようで、具体的に生活は芸術にならないんで…
日曜日に薪づくりをしようと準備をしていたら電話が鳴った。「もしもし。お皿と木があるから使いませんか。以前新聞でそういうものを集めていると読んだので」 という話だった。家を直すための廃材を集めた去年の新聞記事を読んで覚えていたのだろうか。妻チ…
作品集をつくっている。振り返ってみれば「表現したい」という強い意志だけがあった。何かを学んだわけではないけれど好きなことだけはあった。音楽、漫画、アニメ、小説、映画、物語の世界に没頭するのが好きだった。 はじめは文字をつくった。物語世界の設…
生活の中の小さな活動に焦点を当ててみたい。「自らの小さなことの偉大さを気づかないものは、すべての小さな偉大さを見逃してしまう」と明治時代のアートプロデューサー岡倉天心が書いている。自分にとっての小さなこととは、日々の些細な出来事だと思う。…
芸術家を目指してきた。理由はもっとも解釈が自由な職業だから。職業だということはそれを収入にしている。絵を売ることに加えて生活もつくってきた。生活をつくるとはライフスタイルをつくることでもある。どんな場所で、どんな仕事をして生きていくのか。…
自分が何をしているのか、何度でも問い直す。毎日確認してもいいのかもしれない。ムスリムのように1日5回、問い直せばいい。なぜなら毎日、寝て起きて、死んで生まれ直している。昨日の想いが、今日へ引き継がれるとは限らないし、明日には忘れているかも…
職業は芸術家。集落支援員。妻と二人で限界集落に暮らして、その行く末を見守るだけではなく、日本の端っこ、自然に囲まれた田舎の未来をつくる仕事をしている。芸術家としては、日々、文章を書いて絵を描いて、立体作品をつくって、土器づくりの準備を進め…
<前編はこちら> norioishiwata.hatenablog.com 家にいた妻チフミが「今日は友達がタロットをはじめたって遊びに来たよ。窯を使ってみたいとピザを焼いたけど扱いが難しかった」と言った。 夕方からは、窯でパンを焼くためのパン生地づくりの作戦を練った。…
陶芸の師匠のところに遊びにいく約束だった。窯をつくったら「いろいろ教えたいことがあるから」と声を掛けてくれた。北茨城市に暮らす陶芸家の真木さんは、3年前、弟子にしようと言ってくれた。でも陶芸がやりたい訳ではないのでほんの少しだけ教えてもら…
夜寝て、朝目を覚ます。今朝は、霜がおりていた。いよいよ冬になった。世界は変わっていく。小さなことも大きなことも。 昨日の夜、種から育てているマンゴーの苗木を家の中へ入れた。もし出しっぱなしだったら枯れていただろう。夜と朝の間に、死と生があっ…
とても生きるのが難しい時代だと感じる。情報やモノに押し流されそうになる。だから、自分が生きるための環境をつくることにした。絵を描くにしても、絵を描く環境に左右される。されない人もいるかもしれない。厳しい環境に身を置いた方がいい絵が描けるの…
つくること。作品にすること。表現すること。現代社会では、それをお金に変えてはじめて評価される。何千万円で売れた絵画は成功の称号を与えられる。いま人類にとって必要なことは、そういうことなのか、と大真面目に疑問に思う。 したいと感じることをカタ…
週末ラジオ番組を生放送した。「NINJA HOUSE CLUB」茨城県常陸太田で友達の音楽家SINSENくんは、この古民家を拠点にゲストハウスを運営し、ギター教室をやって、本人は音楽家、DJとして活動している。2年ほど前にようやく、このスタイルに辿り着いたと話し…
明らかに新しい環境に突入しているので、状況を知るためにも日記を書くことにした。9月の終わりに、文化庁の芸術家支援助成金に応募して20万円の補助を受けることになった。30万円の予算に対して20万円、つまり2/3を支援してくれる。だから20万円の支援のた…
時間が緩やかに流れるようになった。忙しくもないし、暇でもない。なにかしなければいけないことはあるけれど、誰かに急き立てられることもない。ぼくは自由が欲しかった。たぶん、今はそれを手に入れて、ぼくは自由のなかで生きている。そのことについて書…
ぼくは芸術家になった。40歳を前に退職して妻と二人で表現することを職業にすると決意して、7年が経って、ぼくは妻と二人で関東の最北端、北茨城市の山のなかの集落に生活環境をつくった。3年前に北茨城市が芸術家の地域おこし協力隊を募集していて、そ…
2020年10月16日(金)朝起きてパンとコーヒーを食べた。そのあとストレッチ。手足の先まで伸ばす。最近は姿勢をつくるために座禅している。身体と向き合うのが課題。腹筋と腕立てをする。今日の草刈りに備えて道具の手入れをする。草刈りの歯を交換する。9…
出来事を書く。朝起きてコーヒーを飲んでパンを食べた。チフミが作ってくれた。そもそもチフミに起こされた。7時30分。今日はサーフィンに行かなかった。昨晩はnetflixでハンナアーレントの映画を観ようと思って検索したらもう消えていた。変わりに「カリ…
あまりに早く目が覚めた。深夜2時。波乗りのために5時に目覚ましをかけていたから、起きることにした。昨日も波乗りに行った。南風で波が良さそうだった。午後一で海に着いた。波は大きかったし数も多かった。実際に海に入ってみると、さらに波は大きかっ…
正直な言葉がいい。今朝起きて波乗りに行った。まだ秋のはじまりで、それほど寒くない。南風だと波が良いと理解していたけれど、どうもそういうことでもないと分かって、天気が良い日は、毎日、海の様子を見に行くことになった。 家から海まではクルマで20…
思い通りになることは何もない。唯一、思い通りにできるのは自分自身ぐらいだ。その自分すらも思い通りにするには、訓練や技術やテクニックが要求される。 もし思い通りになっていると感じるのであれば、それは周りの環境に対して思い通りになるように働きか…
大切なものは何か。ぼくにとっては、はっきりしていて「つくる」こと。これは生まれ持った才能だと信じている。信じることはチカラを持つ。ときにチカラは社会にとって邪魔なものになる。だからそれを抑えようとする。おまえは何者でもないと呪いをかける。…
地域で景観をつくるために桜を植樹した。夏には雑草が溢れて桜に絡まってた。9月になって一本づつ蔦を取り除く作業をした。やっと桜と向き合うことができた。そのとき「絡まる」という言葉の状態が目の前にあった。蔦は桜に絡まって倒してしまう。それは「…