いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

古家採取活生計画

廃墟再生日記 その4

【すべてのインフラが止まってしまう】そんな小説を書きたいとイメージしていた。ところが、それは空想ではなく、すぐに現実になってしまった。 週末、関東地方を台風が直撃した。都内は電車が止まり、成田空港からかはすべてのアクセスが機能しなくなり、空…

廃墟再生日記 その3

朝起きて、寝るまでのたった一日が人の一生だったら何をするんだろう。きっと寝ることもなく、慌ただしく死を迎えるんだ。それでも花が咲いて、散って種を残すようなことは必要だから、きっと愛する人に会うのだと思う。そのときは、選ぶというよりも、必然…

廃墟再生日記 その2

居住空間を開拓するプロジェクトが再開した。2日目。朝、畑に行って草刈りをした。春夏は野菜を育てたけれど、秋冬は、家を直すのに集中するためお休みすることにした。野菜を育てるには手が掛かる。まったくやらないのではなく、アトリエの周りに開墾した…

廃墟再生日記その1

9月になって暑さが和らいだので、廃墟の改修が始まった。たぶん、この廃墟はプレハブか何かが原型だと思う。話によると、港にあった物置が、山に運ばれて、何回か人が住んだけれど、長くは続かなく、いまに至るとか。悪い面を挙げたらキリがない物件だけど…

家が作品シリーズ ギャラリー・ウマイエ

とにかく古い家が好きで 最大の魅力は そのほとんどが 自然由来だということ。 世の中が 貨幣価値で埋め尽くされ 利用価値がなれければ 捨てられる。 けれども 自然がなければ 生きていけない。 すべては存在できない。 日本の伝統建築は 自然の摂理に適った…

空き家は魔物

家を作品にしようと改修を繰り返している。家は恐ろしい魅力を放つ。とくに古い家は魔性だ。 家は生きている。家は人を選ぶ。家は人を働かせる。気をつけた方がいい。ぼくは、もうとっくに家の魔力に飲み込まれている。 この家に来てから1年半が経った。こ…

馬小屋と冬の暮らし。生活のリズム。

アトリエにしているArigateeの馬小屋を改修していたら、元家主の有賀さんが様子を見に来てくれた。有賀さんに聞けば、この場所の歴史が分かる。むしろ有賀さんの記憶以外にその歴史が存在している場所はない。本にもインターネットにも載っていない。 馬小屋…

One of these days 17

4月14日(土)愛知県の空き家改修の仕事に区切りをつけて、5時間かけて東京へ移動。 月曜日からボストンに行く前に、東京新宿でバンドNOINONEのリハーサル。売れているわけでも有名なわけでもなく、それでもモチベーションを保ち続けていること自体が奇跡だ…

できれば、クマのままでいたかったの話

4月13日(金) いよいよ改修の最終日。朝、まのさんとミーティング。絵本「できればくまのままでいたかったのに」の話題になる。 ☆ 森のおくに1匹のくまがいた。くまが冬眠しているあいだに、森に人間がたくさんやってきて、木を切り倒し、大きな工場を建…

生きている手話に出会って、感情表現を知ったこと

4月12日(木) 朝7時に起きる。7時30分から、依頼主、まのさんと改修のミーティング。 金曜日までにやれることを確認。まのさんを楽しませつつ、満足してもらい、期待以上の結果を渡して帰りたいと思う。 10時、まのさんの友人たちが、改修の手伝いにくる。…

夢が叶ったら、すぐにまた次の夢に飛ぶ

今日は水曜日。朝から改修仕事をしている。家とは何か、この3年くらい考えてきた。きっかけは空き家。どうして古い家は、家賃が安いのに好まれないのか。なんならゼロ円のこともある。どうしてひとは、働いたおカネを高い家賃や新しい家のために費やすのだ…

空き家は問題じゃない

扉を開けると人が集まっていた。2年前は空き家だった津島のルミエールセンターを半年振りに訪ねた。 空き家とは何か思うに、家主さんがその家を大切にしていたり、そこに愛があれば、空き家ではない。例え使っていないとしても。 この津島の長屋群は、もっ…

人間の巣【最もシンプルな家のつくり方】

遭難したり、家を失ってしまったらどうやって生き延びればいいのか。どんな動物にも睡眠や休息が必要で、安心して眠るには、巣が必要だ。人間も動物だから究極的には巣があれば生きていける。それが、このDebris hut(デブリハット)。 木を組み合わせて骨を…

【モノと人間】について。なぜ、こんなにモノが溢れているのに少しも満足できないのか。

いろんな場所を訪れて、いろんな人に会って話してみても、満足で幸せハッピーって人間はあまりいないが、なかでもアイルランド出身でバルセロナに移住して活動するアーティストMark Reddenだけは、子供のように創作と戯れていた。空き家に暮らし舟をつくって…

できないことなんてない。イメージできるのであれば。

人は常に偶然によって人と出会い、恋人も友人もそうやって結ばれていく。社会は、常に人が人と縁を持つことでつくられていく。貨幣は、人と人が価値を円滑に交換するための道具であり、その行為が経済を動かしている。そうあるのが理想の社会像だ。理想がな…

目の前に起きている仔細な出来事こそが、何よりも、磨けば輝く人生の一部だから。

目の前に起きていることを記録すれば、それは人生そのもので、その記録が他人のことではなく、自分の身に起きたことであれば、間違いなく、それは芸術。 では、どんな芸術人生をつくることができるのか。古今東西のライフスタイルを採取編集して、試行するこ…

どうしてわたしたちは、生活を変えることができないのか。

今日は今日であり、明日は明日。だからこそ、その日、その日を愛おしく過ごしたい。だからこそ、振り返って言葉にしておく、週末あったことを。次へ進むために。 中津川市高山にある青山家の古民家と周辺環境を活用した「森と暮らす」プロジェクトがスタート…

730日間の冒険を今、スタートする。2018年、すぐ近くの未来へ飛ぶために。

目標・夢・種を蒔いて育て収穫すること。730日後の未来へ。岐阜県中津川市の古民家で、週末キャンプイベントを開催する。この古民家には裏山があり、そこの木を伐採して、草を刈り、整地してキャンプ地をつくる。地元の杣(そま=きこり)に森と人間の関わり…

原始時代から現在へ、今いる場所から世界へと自由自在に横断して編集するライフスタイルのつくり方。

三重県志摩市の海の町、安乗に滞在している。目的は海の作品をつくるため。そのために生活の拠点を移した。ぼくは絵を描くために旅をしている。あちこちの暮らしと日本の自然を体験するために。それを可能にしたのが、空き家暮らしだ。ぼくら夫婦は、漂白民…

空き家に暮らす-三重県志摩市阿児安乗編

愛知県津島市から三重県志摩市阿児安乗へと向かった。安乗の空き家に一カ月滞在する。 最近は、移動に高速道路を使わなくなった。理由は単純。出費を抑えるため。100kmマラソンする超人小山さんが東京から大阪までは高速道路を使わない、下道でも数時間しか…

家との対話。古家が教えてくれる自然の在り方。

「家」とはなんだろうか。古い家を直しながら暮らす生活をして、2件目の家で考えてしまった。築80年の長屋と、江戸末期に建てらた町屋では、家の種類が違う。 中津川の古民家を管理する青山さんのご両親のやり方から学ぶことがあった。「家を綺麗にしてお…

森と古民家、キャンプ場開拓計画

朝7時30、ローリング・ストーンズのアルバム、ベガーズバンケットを聴きながら車で岐阜県中津川市に向かった。1曲目「悪魔を憐れむ歌」が流れていた。 財布を忘れたことに気づいて、免許証がないと言うと、チフミが「取りに戻らなきゃ」と。心の中でこのま…

まちにアートが溢れていくアート化計画、進行中。

旧家具屋さんの雨戸を修理しようと、facebookで、軽く呼びかけ人が集まった。企画者のアイディアで裏を白くしてキャンバスにしよう、と。アーティストに絵を描いてもらおう、と。日常のなかにアートが浸透していく。古い家を直すことが、アートの場をつくり…

「つくる」は誰のためでもなく自分のため。だから1日のなかに空白の時間が必要。純粋な創造空間を求む。

朝は集中できる。庭から木を取ってきて、パピエマシェの材料にする。木は動物をつくる骨になる。 6月から入居者が決まったルミエール実験住宅に家主の水谷さんが作業に来るので会いに行った。9月に水谷さんとアーティストの高畠愛子さんが実施するアーティ…

毎日の仔細な出来事を採取記録して明日をつくる。そのためにぼくは書く。

昨年から岐阜県中津川市の古民家を活用する方法を探ってきた、青山さんと打ち合わせした。ぼくは、この家ために同じ市内の加子母での木の伐採のワークショップに参加し小屋をつくった。ここで繋がった杣人(きこり)の協力を得て、古民家の裏山で木の伐採の…

あるがままの魅力を集めれば、人と人が出会い未来を紡ぐ【津島つむぎまちアート化計画】GWは愛知県津島市へ。

愛知県津島市をご存知でしょうか。ぼくは空き家を求めて、何千何万とある町のなか、偶然にこのまちと出会い、魅力を感じて通うようになりました。地域の宝は当たり前にあるモノ・コトシャッター商店街、空き家、人口減少、高齢化、どこにでもある地方都市の…

日本には見えない美しさを愛でる感覚があった。だから日本の職人の仕事は美しい。

先週末に開催した土壁のワークショップは、いろいろ盛り上がって、個性的な壁になり過ぎて、、。さて、その壁をどうしようか改めて観察したところ、浮き上がっている箇所もあるのでやり直すことにした。 今日は雨だったので桶に溜まった雨水を混ぜるうちに、…

気が向く方に進めば、思いもしない未来が展開する法則

家を直すようになって、古い家が愛おしくて、朽ちているほど、気になってしまう。津島を散歩していると、屋根が陥没した六角堂の放置されたお寺があって、きっと神様が、そのままになっているだろうから、ぜひとも寺を修理したいと思い、余計なお世話ながら…

2014年からの人生のあらすじ。命を守る家のつくり方

家主と空き家との出会い2014ぼくたちがDr.Kevinに出会ったのは、2014年の夏だった。Kevinは、愛知県津島市に築80年の長屋群を相続して困っていた。300坪の敷地に4棟の家が並び、そのどれも古くなっている。2世帯の家族が住んでいるので、Kevi…

腐朽した梁の交換方法。木造建築は部位ごとに交換できる。

梁が腐朽していた。シロアリ被害も重なり、木材はミルフィーユ状で、何処まで使えるのだろうか。木を叩いてみても素人には、判断しかねる状況だった。 普通なら諦めて専門家に依頼するところを「やってみよう!」という家主のDr.Kevin。木を適当なところで切…