いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

生きるための芸術の記録

龍の神さまに呼ばれたプロジェクト

札幌の神社改修のため滞在制作が始まった。 と言っているが、実はこれはアート制作ではなく神社を改修する大工な仕事と考えた方が正解かもしれない。そもそも札幌に2週間も滞在して、行き当たりバッタリ現場の状況とセッションしながら神社と周辺環境を作り…

似ている。それは事故。検分すれば次へのステップがある。

草を刈りながら考えた。この目の前のもので何かつくれないか。「草、太古、技術」で検索した。みつけたのは一編の詩だった。 薬草は野草 野の草は薬の草 薬は野にあり 野の草は、太古の地球とつながっていて 人類よりはるか昔から地球と共存している 彼/彼…

草刈りの哲学

いつでもどこでも哲学できる。哲学とは物事の根源のあり方を明らかにする思考。草刈りとは。 今朝も草刈りからスタートした。夏は制作のほとんどが草刈りだ。草刈りが制作? そう。「芸」という字には「刈る」という意味がある。「藝」という字には「ものを…

バラバラの飛び散った破片がひとつの糸に貫かれた。

取材が終わった。7月2日から5日間。その前に馬東京での個展の様子も撮影してくれた。密着ではないけれど、集落での草刈りや炭焼きの作業も撮影してくれ、ぼくたち檻之汰鷲の全体像が記録される。 質問されたのが、ランドスケープをつくること、生活芸術のこ…

まとまらない考えを書けばそれが物語になる。

考えが巡ってアウトプットできていない。けど、はっきりした目的がある。さらにけれども、それは望まれてないんじゃないか、もっとよい方法があるんじゃないか、と頭のなかで検討してしまっている。ここはそんなぐるぐるな過程も書けるスペースなので、その…

ぼくができるなら誰でもやれる。生きるための芸術を。

“There is nothing outside of yourself that can ever enable you to get better, stronger, richer, quicker, or smarter. Everything is within. Everything exists. Seek nothing outside of yourself.” SNSを眺めていて宮本武蔵の文章の英訳をみつけた…

作品が売れるとき

展示の休憩時間。いま起きていることを文字にしている。ぼくは芸術家。有楽町マルイで個展をしている。自分たちの作品を販売している。アート作品は商品ではないけれど、商品として扱うこともできる。というかぼくらはマルイで販売しているから商品にしてい…

無計画だからピッタリ嵌まる不思議

軽トラックに荷物を積み込んだ。明日展示の搬入だ。ピッタリだった。軽トラックの幌の骨組みも作った。なんでも自分たちでやっている。なぜなら自分でやれば問題や課題は自分だけのもの。自分で解決できないことはもう不可能だ。つまり他者へ期待する余地が…

成功とはマストなものなのだろうか。適当に楽しく生きたら死んでしまうのか。

個展の準備に追われて忙しいはずなのに今日は土を焼いている。これが制作だ。 数日前には紙を漉きながら土を焼いた。早く結果が見たいのでブロアーで風を送って急激に熱したら土は割れてしまった。妻に「ほんとにせっかちだよね」と言われた。 今朝は海岸の…

手を抜いてはいけない。これくらいでいいとかはない。自然から教えられたこと。

8時から火を燃やし始めて15時に炭窯に蓋をした。蓋は大谷石と耐熱レンガを積み重ねて泥で隙間を埋める。いつもこれだけの時間がかかる。前回は燃える調子が良いからと、早めに切り上げたら2日後くらいに火が消えてしまった。 窯の前に木を積んで火をつけて、…

例えば「ライフスタイルをつくる」と「ライフスタイルを消費する」の違いについて。

昨日は雨だったので一日中制作に没頭できた。作りかけの作品の額装を仕上げたり、注文されているピアノの塗装を進めた。同時にパピエマシェ(張子)の動物、タヌキ、シマウマ、シロクロキツネザルの作業も進めた。妻と2人で制作しているから分担して、朝から晩…

環境設定ですべてが変わる。子供の描く絵がすべて美しいこと。

札幌に向かう朝、成田空港でこれを書いている。本はレヴィストロースの「野生の思考」をカバンに入れた。 札幌へは神社改修の打ち合わせ。数年前から計画に携わっている。DIYで改修の相談をされていた。しかしDIYだとやれる範囲が見えてしまう。技術や予算な…

自分を活かす技術

取材のため北茨城市の山を4時間歩いた。その翌日両足を触って気がついた。左足と右足の筋肉が違う。左の方がずいぶん細い。30年前の交通事故の影響だ。5年前に唐突に痛みで走れなくなった。歩くことはできた。整体に行ってみたが辛抱して通うことを勧められ…

夜空にボールを投げ続けると100年後に届く【個展のお知らせ】

すごく驚いた。ニーチェの「ツァラトゥストラ」は40部だけ作って配ったそうだ。この歴史に残る名著と呼ばれる作品がだ。 調べてみると、4章構成で1章ずつ印刷され出版社から出された。章を重ねるごとに売れなく打ち切りになり4章を自費で出版したそうだ。 感…

そのままで大丈夫?!今ここからの未来へ。

クルマを走らせて目に止まった。道端の2羽の鳥だった。瞬間だった。一羽は倒れていて、もう一羽はなす術もなく横で見つめていた。まるで長年連れ添った夫婦みたいで愛おしく感じた。しかし、そこには悲しみもあった。そのままクルマを走らせ去ってしまった。…

昔話は今。未だ見たことのない既視感ある物語を生み出すこと。

裏山に木を切りに行った。妻は蓮の池で草取りをしていた。もう少しでむかし話のお爺さんとお婆さんになるところだった。 裏山で炭焼きの師匠と輸入材をストップすれば国産材が売れる話しをした。確かに。少し想像しただけでイメージできた。今まで山を放置し…

文章は目の前に広がる世界に表れているものと違うものを刻むため

さて書こう。文章は目の前に広がる世界に表れているものと違うものを刻むために書く。 アートの語源アルスとは技術の意味で、技術とはまたテクネーで、それは見えないものを見えるようにする意味だとハイデガーが教えくれた。哲学とは意味の最奥へと探検する…

吹き荒れる風に舞い上がらないように自分の言葉で踏み締め歩く。

雨だ。朝。雨が降ると制作に集中できる。山に住んでいるから、雨がよく見える。東京に住んでいるときは嫌だった。濡れるし歩きにくいし。今日の雨は強い。作業場の屋根はトタンだから激しく鳴っている。 仕事は彫刻。集落の景観をつくる伐採のときみつけた木…

やりたいことがあるなら、まず自分に負けないこと。

言い訳をする。諦める。忘れる。それをしないように抵抗する。自分に。大切なのは自分の側から立ち上がること。相手の側ではなく。怠けない。相手の側で立ち上がってしまえばまるっきり成果や経験を盗まれてしまう。搾取。自分が持っている可能性や価値を信…

簡単は複雑だから何度も丁寧に考え直してお返事します

昨日作品を購入したいと電話をくれた人がいた。「明日お昼前からあとは空いてます」と返事した。午前中に手元にある4点を並べておいた。お客さんは作品をひとつひとつ眺めて感想を言葉にしてくれ一点を選んだ。「やっぱり檻之汰鷲といえばコラージュですから…

自分の時間、自分の考え、自分のやりたいこと。

アルバイトをしていたとき、よくボーっとしていると注意された。ときにはクビにもなった。ところが自分としては、ボーっとしているのではなく、次にやる楽しいことをイメージしていた。 みんな同じだと思っていたけど、それぞれ違うことが最近やっと分かって…

労働は商品なのか人生なのか。

マルクス「賃労働と資本」を読んだ。本に書かれた言葉は、何十年も何百年も何千年もむかしのひとの考えを教えてくれる。マルクスさんとカフェや居酒屋で話したように書き直してみた。 ✴︎ 働くことは、ぼくらが雇い主に売るひとつの商品なんだ。どうして売る…

サバイバルアート。目的とは違う成功をみつけるプロセス。それが失敗。

朝から制作の予定。最高な一日。企んでいたアルミを溶かす計画。可能な限りつくるDIYをサバイバルアートと呼んでいる。 空き缶を拾いに海へ行った。波が大きかった。いい波だった。空き缶を拾って、崖の破片を拾った。この崖は砕いて水に溶いて顔料にすると…

盗むなら広告。Just do it. すぐにやれ。無駄こそが豊かさ。

忘れないうちにメモしておく。海で出会った怪しい宮大工のお爺さんが電話をくれた。何の話しか分からなかったが、とりあえず大切な言葉を置いていった。 奥さんの仕事を楽にしてやれ。自分の仕事を極めなさい。身体を使って。人を使うような仕事はするな。気…

プラスよりマイナスは絶妙な漂白のタイミング。正しいは間違っている。

次のプロジェクト企画を"The kids are all right-子供たちはいつも正しい" というタイトルで提出したらディレクターさんがクライアントに修正を打診されたと報告してきた。 問題は「正しい」という言葉だ。正しいということは、その反対も想起させるとのこと…

誰が作ってるのか、壁画、カタチ、プロジェクト。

朝起きて外に出るといろんな鳥が鳴いていた。まだ山鳩くらいしか聞き分けられない。昨日まで都内にいたから、音の違いがはっきり分かる。 分かると分からない。極の端と端にあるもの。北と南。上手いと下手。都市と田舎。金持ちと貧乏。成功と失敗。社会と自…

アートは予定も仕事もない空白から生まれる。

20年前に表現者になると決めて、その10年後に会社を辞めてアーティストとして独立した。いまは職業を芸術家と名乗っている。有名でもないし、周りから見たら成功もしていない。けれどもそれを仕事にして生きている。 どんな職業でも幅がある。ものすごく稼ぐ…

夢は計画。10年前と10年後。

慌しくなると忘れてしまう。何をしていたのか、何をしようとしていたのか。大切なことは自分の側にある。社会はさも働いてお金を稼ぐことが重要だと説得してくる。会社や組織に所属すること、地位や肩書き。もちろんお金は大切だし仕事も必要だ。しかしそれ…

戦争と表現者

「思考するとは、なによりもまず、ひとつの世界をつくることだ」 本をパラパラと捲って目に付いたコトバを覚えていた。それがどこに書いてあったのか探した。 シジフォスの彫刻を作るときカミュの「シューシフォスの神話」を読んだ。その文庫を捲っていると…

書く=自分の声を聞く技術

何か抜けの悪い感じがしていた。空がどんよりする気分。ぼくはそんなに落ち込むことはない。まあ、落ち込んでいるわけでもなく、気分が晴れない、そんな日もあるだろう。もしかしたら強い風のせいかも。だから文章を書くことにした。日記ではなく。 驚くほど…