いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

SYNBIOTE(共生生物)/湖を赤く染める。

思い通りになることは何もない。唯一、思い通りにできるのは自分自身ぐらいだ。その自分すらも思い通りにするには、訓練や技術やテクニックが要求される。

もし思い通りになっていると感じるのであれば、それは周りの環境に対して思い通りになるように働きかけているからだ。

夢を見た。湖を赤く染める仕事だった。いつもは妻チフミとチカラを合わせて仕事をしているけれど、この仕事には協力してくれなかった。チフミの協力は、チフミの想いによって行われていて、ぼくには何の強制力もない。湖の色を変えるのは、自然を人間の思い通りにする企みだった。何か染料を投入すれば色は変わるけれど、それによる環境汚染が懸念された。夢のなかで思い通りになることは何ひとつなかった。

ぼくはいまの暮らしに自由を感じている。けれども、これは自由というよりも、まわりが思い通りでいられるように働きかけていると再確認した。あるものを受け入れることによって自分も受け入れてもらう。

数日前に英語の勉強で映画VENOMを観た。自分の語学レベルからして、分かりやすい映画だと英語で見ることができる。「SYNBIOTE(共生生物)」という単語を知った。

人間は何かを思い通りにしようとする。そのエネルギーを共生に変換してみると、いろんな物事がスムースに運ぶように思う。

ぼくは夢の中で、湖が夕焼けに染まって赤くなるのを一時的だけれど、赤くなったとクライアントに報告した。当然、そんなことは社会に通用せず、なんとしても湖を赤くしろと再度、命令された。湖も人間も思い通りにはならないのに。