いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

生きるための芸術の記録

そのままで大丈夫?!今ここからの未来へ。

クルマを走らせて目に止まった。道端の2羽の鳥だった。瞬間だった。一羽は倒れていて、もう一羽はなす術もなく横で見つめていた。まるで長年連れ添った夫婦みたいで愛おしく感じた。しかし、そこには悲しみもあった。そのままクルマを走らせ去ってしまった。…

昔話は今。未だ見たことのない既視感ある物語を生み出すこと。

裏山に木を切りに行った。妻は蓮の池で草取りをしていた。もう少しでむかし話のお爺さんとお婆さんになるところだった。 裏山で炭焼きの師匠と輸入材をストップすれば国産材が売れる話しをした。確かに。少し想像しただけでイメージできた。今まで山を放置し…

文章は目の前に広がる世界に表れているものと違うものを刻むため

さて書こう。文章は目の前に広がる世界に表れているものと違うものを刻むために書く。 アートの語源アルスとは技術の意味で、技術とはまたテクネーで、それは見えないものを見えるようにする意味だとハイデガーが教えくれた。哲学とは意味の最奥へと探検する…

吹き荒れる風に舞い上がらないように自分の言葉で踏み締め歩く。

雨だ。朝。雨が降ると制作に集中できる。山に住んでいるから、雨がよく見える。東京に住んでいるときは嫌だった。濡れるし歩きにくいし。今日の雨は強い。作業場の屋根はトタンだから激しく鳴っている。 仕事は彫刻。集落の景観をつくる伐採のときみつけた木…

やりたいことがあるなら、まず自分に負けないこと。

言い訳をする。諦める。忘れる。それをしないように抵抗する。自分に。大切なのは自分の側から立ち上がること。相手の側ではなく。怠けない。相手の側で立ち上がってしまえばまるっきり成果や経験を盗まれてしまう。搾取。自分が持っている可能性や価値を信…

簡単は複雑だから何度も丁寧に考え直してお返事します

昨日作品を購入したいと電話をくれた人がいた。「明日お昼前からあとは空いてます」と返事した。午前中に手元にある4点を並べておいた。お客さんは作品をひとつひとつ眺めて感想を言葉にしてくれ一点を選んだ。「やっぱり檻之汰鷲といえばコラージュですから…

自分の時間、自分の考え、自分のやりたいこと。

アルバイトをしていたとき、よくボーっとしていると注意された。ときにはクビにもなった。ところが自分としては、ボーっとしているのではなく、次にやる楽しいことをイメージしていた。 みんな同じだと思っていたけど、それぞれ違うことが最近やっと分かって…

労働は商品なのか人生なのか。

マルクス「賃労働と資本」を読んだ。本に書かれた言葉は、何十年も何百年も何千年もむかしのひとの考えを教えてくれる。マルクスさんとカフェや居酒屋で話したように書き直してみた。 ✴︎ 働くことは、ぼくらが雇い主に売るひとつの商品なんだ。どうして売る…

サバイバルアート。目的とは違う成功をみつけるプロセス。それが失敗。

朝から制作の予定。最高な一日。企んでいたアルミを溶かす計画。可能な限りつくるDIYをサバイバルアートと呼んでいる。 空き缶を拾いに海へ行った。波が大きかった。いい波だった。空き缶を拾って、崖の破片を拾った。この崖は砕いて水に溶いて顔料にすると…

盗むなら広告。Just do it. すぐにやれ。無駄こそが豊かさ。

忘れないうちにメモしておく。海で出会った怪しい宮大工のお爺さんが電話をくれた。何の話しか分からなかったが、とりあえず大切な言葉を置いていった。 奥さんの仕事を楽にしてやれ。自分の仕事を極めなさい。身体を使って。人を使うような仕事はするな。気…

プラスよりマイナスは絶妙な漂白のタイミング。正しいは間違っている。

次のプロジェクト企画を"The kids are all right-子供たちはいつも正しい" というタイトルで提出したらディレクターさんがクライアントに修正を打診されたと報告してきた。 問題は「正しい」という言葉だ。正しいということは、その反対も想起させるとのこと…

誰が作ってるのか、壁画、カタチ、プロジェクト。

朝起きて外に出るといろんな鳥が鳴いていた。まだ山鳩くらいしか聞き分けられない。昨日まで都内にいたから、音の違いがはっきり分かる。 分かると分からない。極の端と端にあるもの。北と南。上手いと下手。都市と田舎。金持ちと貧乏。成功と失敗。社会と自…

アートは予定も仕事もない空白から生まれる。

20年前に表現者になると決めて、その10年後に会社を辞めてアーティストとして独立した。いまは職業を芸術家と名乗っている。有名でもないし、周りから見たら成功もしていない。けれどもそれを仕事にして生きている。 どんな職業でも幅がある。ものすごく稼ぐ…

夢は計画。10年前と10年後。

慌しくなると忘れてしまう。何をしていたのか、何をしようとしていたのか。大切なことは自分の側にある。社会はさも働いてお金を稼ぐことが重要だと説得してくる。会社や組織に所属すること、地位や肩書き。もちろんお金は大切だし仕事も必要だ。しかしそれ…

戦争と表現者

「思考するとは、なによりもまず、ひとつの世界をつくることだ」 本をパラパラと捲って目に付いたコトバを覚えていた。それがどこに書いてあったのか探した。 シジフォスの彫刻を作るときカミュの「シューシフォスの神話」を読んだ。その文庫を捲っていると…

書く=自分の声を聞く技術

何か抜けの悪い感じがしていた。空がどんよりする気分。ぼくはそんなに落ち込むことはない。まあ、落ち込んでいるわけでもなく、気分が晴れない、そんな日もあるだろう。もしかしたら強い風のせいかも。だから文章を書くことにした。日記ではなく。 驚くほど…

日記では表せない溢れ落ちる喜びについて

1月から2月まで日記をつけてきた。したこと考えたことを記録した。しかしただそれだけじゃ物足りない気持ちになってきた。なぜならしていること、それだけを並べると、まるで労働者だ。事実そうなのだけど、身体を動かして働くことの意味を取りこぼしてしま…

2024年はじまりと同時に書いたこと

あけましておめでとう2024。元旦は長野県諏訪地方の妻の実家でお酒を飲んでご馳走を食べてカラオケをしていた。その夜、テレビでは北陸の震災のニュースが流れた。震度7の地震が石川県を中心に襲った。しかしテレビの向こうの出来事なのだ。 ✴︎ ガザをイスラ…

混沌に目と鼻を描いたら死ぬのです、

新作の構想は、スチームサウナやヨモギ蒸しなどの草を蒸して浴びる何かだ。発想のきっかけは2つある。ひとつは妻の母がヨモギ蒸しの会社にヨモギやたんぽぽ、ホウノハ、山葡萄などの野草を採取して納品する活動していること。雑草や野草を採取して干して持…

炭焼き/失敗/パレスチナ/30万年前

書きたいことが溢れて散らかっている。とりとめなくても書いておこう。クライマー山野井さんの最近のドキュメンタリーを観た。ぼくは10年前にボルダリング をやっていて、山野井夫妻が主人公の小説「凍」を読んだ。その頃にも山野井さんのドキュメンタリーを…

日記は地図。現在地を記す。

日記とは地図だ。変わりゆく社会のなかで自分の現在地を確認するためのツール。もしくは人生のあらすじ。この先に展開するシナリオのために。テーマは生きるための芸術。生きるとは何か。芸術とは何か。 生きることはすべての人に通じる課題。流されるのでは…

経験から学んで失敗し続ける成長。

風邪をひいた。インフルエンザとかウィルスとかあるけれど週末から東京で仕事をして火曜日の夜高速を飛ばして帰宅して起きたら体調を崩していた。高速を飛ばすと書いたけど軽トラックだから3時間かかる。普通は2時間。ぼくは遅い流れのなかを生きている。…

時間とは誰のものか。自分以外の誰のものでもない。盗まれるな売るな。そして自分に投資せよ。

何をしているのか。しなければならないのか。もしくはしないべきなのか。時間は過ぎるのか。流れるのか。進むのか。 流れているとして、例えば海に行くか、行かないか選択肢がある。朝起きて、会社に行けばお金が貰える。しかし休んで海に行ってしまった。一…

対話は自分を映し出す鏡。

一昨日は妻以外、誰にも会わなかった。 草を刈って、春に向けて菜の花の種を蒔く準備をした。昨日は、午前中にアトリエ兼ギャラリーに絵を買いに来てくれた人がいた。いくつかの作品を並べて見てもらった。気になると言ったのはアースワークス・シリーズだっ…

10年と10月の日記

10月は毎週イベントがあって、自分のしてきたことが仕事になって返ってきた。つまり社会のニーズが追いついてきた訳で、表現者としてはニーズの先へと走り続けていたい。こうして文章にして、したことを検証して逃走していく、自分の生きる道をつくるために…

宗教哲学アートに関するノート

札幌での滞在制作は折り返し。あと10日ほど。やっぱり新しく出会う土地での制作から学ぶことが多い。湧き水の神社の草を刈ったり、倒木を伐ったり、本殿と呼ばれる小さな社を修理して色を塗ったりした。していることはほぼ管理人だ。アートだったら、アーテ…

アートのインスピレーションはスピリチュアル系の直感に敵わないのか。

札幌で滞在制作が始まった。札幌南区にある湧き水の神社の整備をアート的に仕上げるプロジェクト。ぼくらの活動はほとんどアートの外にある。アート外の活動をアートの枠組みに環流させていく。アートとはそういうものではないだろうか。インスピレーション…

君が土ならば毒まで喰らえ

絵を購入してくれたお寺の住職さんから、扇子の修理を依頼された。気持ちとしては忙しいとかお金にならないかな、とかあったけれど、妻がやろうよ、と言ってくれたので引き受けた。そんな経緯だったからしばらく時間が経って、ふと扇子を手にしてインターネ…

想像王国、そこへ至る道をつくる。

友達のお父さんの本棚から頂いた「日本のユートピア思想」を読みながらバスで東京へ移動した。これを書きながら、東京は「行く」でも「戻る」でもないと気がついた。 都内でバンドのリハついでに、蔡國強の展示を新国立美術館で鑑賞してきた。六本木を歩きな…

見えざる道の知恵

「人間にも核があってそれが燃えている限り元気でいられるのです」 今日、草刈り機を借りにきた二拠点生活をしている80歳の福島さんが話してくれた。曰く、やりたい事があって夢中になっていれば痴呆にもならないし健康でいられると。もちろん、それには個人…