いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

2016-01-01から1年間の記事一覧

日本に生まれてその歴史の先端に生きている。日本人として何を表現できるのか。

着物のリサイクルショップに行こう、とシンガーソングライターのまのあけみさんと、津島の吉祥寺の羽場さんに誘われ、岐阜県大垣市に向かった。お店の近くに空き家があり、その空間を覗いた。朽ちた日本家屋。 6月の中旬からニューヨークで予定している個展…

特に予定のない日は生活をする。なんでもない1日が最もクリエイティブな時間。

誰に頼まれるでもなく、仕事でもなく、対価もなく、生まれたままに与えられた純粋な時間をどう使うのか。朝、起きてストレッチ。隅々まで意識を通わせ自分の身体を感じる。筋肉を充分に伸ばして、腹筋と腕立て伏せで目を覚ます。40分ほどのランニングに出…

家との対話。古家が教えてくれる自然の在り方。

「家」とはなんだろうか。古い家を直しながら暮らす生活をして、2件目の家で考えてしまった。築80年の長屋と、江戸末期に建てらた町屋では、家の種類が違う。 中津川の古民家を管理する青山さんのご両親のやり方から学ぶことがあった。「家を綺麗にしてお…

森と古民家、キャンプ場開拓計画

朝7時30、ローリング・ストーンズのアルバム、ベガーズバンケットを聴きながら車で岐阜県中津川市に向かった。1曲目「悪魔を憐れむ歌」が流れていた。 財布を忘れたことに気づいて、免許証がないと言うと、チフミが「取りに戻らなきゃ」と。心の中でこのま…

ぼくは全然違う。人とは違う。何も同調する必要もなく、どんどん毎日、変化していく。

今日は制作に専念する日。とは言え、秋に滞在制作予定の土地のオーナーに会う約束がある。 朝から昼まで、パピエマシェのウサギとクジラを制作して、打ち合わせに行った。オーナーは、前回の展示で知り合い、生活芸術というコンセプトに共感してくれ、建物や…

まちにアートが溢れていくアート化計画、進行中。

旧家具屋さんの雨戸を修理しようと、facebookで、軽く呼びかけ人が集まった。企画者のアイディアで裏を白くしてキャンバスにしよう、と。アーティストに絵を描いてもらおう、と。日常のなかにアートが浸透していく。古い家を直すことが、アートの場をつくり…

「つくる」は誰のためでもなく自分のため。だから1日のなかに空白の時間が必要。純粋な創造空間を求む。

朝は集中できる。庭から木を取ってきて、パピエマシェの材料にする。木は動物をつくる骨になる。 6月から入居者が決まったルミエール実験住宅に家主の水谷さんが作業に来るので会いに行った。9月に水谷さんとアーティストの高畠愛子さんが実施するアーティ…

「走る」は身体と思考のメンテナンス。気持ちが淘汰されて身体は搾られリフレッシュする。

昨日は早起きをして、カヤックをやる場所を調査しに行った。車で30分ほどの馬飼大橋。木曽川がせき止められて湖のようになっている。ここで遊ぶには、カヤックを2人乗りに改造しなければならない。 嫁に明日カヤックを改造しよう、と言ったら「他にやる事あ…

「忙しい」はいかなる状況でも言い訳にしか過ぎない。やりたいことをやるために「忙しい」は必要ない。

1日にあった出来事を記録する。仔細な会話やアイディア、計画や閃き。日々の思考は泡のように浮かんでは消えていく。慌ただしい時間の中に流れて消えてしまう。だからこそ拾い集めて記録する。 5月から住み始めた江戸時代に建てらた空き家で目を覚ました。…

パラダイスの向こう側に道がある、ロックンロールが教えてくれた。

初めて伊勢を訪れた。2丁目パラダイスというイベントスペースで、バンドのライブをした。バンドは20年近く続けているNOlNONE。好きな音楽を全部放り込んだら、特殊なサウンドになった。パンク、ハードコア、ヒップホップ、ジャズ、テクノ、ロックンロール…

毎日の仔細な出来事を採取記録して明日をつくる。そのためにぼくは書く。

昨年から岐阜県中津川市の古民家を活用する方法を探ってきた、青山さんと打ち合わせした。ぼくは、この家ために同じ市内の加子母での木の伐採のワークショップに参加し小屋をつくった。ここで繋がった杣人(きこり)の協力を得て、古民家の裏山で木の伐採の…

空き家再生【ルミエール実験住宅】参加者募集中。

ついに第1章が終わった。2013年、ヨーロッパとアフリカを旅して、さまざまなライフスタイルと遭遇し、ザンビアで泥の家を建てたのをきっかけに、自分が勝手に編集した世界のライフスタイルを日本で実践しようとスタートした冒険=生きるための芸術。 まずは…

あるがままの魅力を集めれば、人と人が出会い未来を紡ぐ【津島つむぎまちアート化計画】GWは愛知県津島市へ。

愛知県津島市をご存知でしょうか。ぼくは空き家を求めて、何千何万とある町のなか、偶然にこのまちと出会い、魅力を感じて通うようになりました。地域の宝は当たり前にあるモノ・コトシャッター商店街、空き家、人口減少、高齢化、どこにでもある地方都市の…

水の文化誌その1「諏訪湖カヌーの会」

2月に出会った88歳の師匠のところで、カヌーづくりが始まった。 海や川や湖の水の文化圏を忘れた現代に、開かれた自然と自由がここにある。 - いきるための芸術の記録 伊藤カヤックと呼ばれるこの舟は、これまでに50台以上制作され、改良を重ねてきた。設…

自然という現象を手のひらに載せて魅せるような、そんな美術を目指したい。

バルセロナでマークレディンのつくるアイルランドのボート=カラックに出逢い、豊かな水の文化圏を体験して、人間が水辺に文明を築いてきたことを思い出した。しかし、都市生活者にとって水辺のアリ・ナシなんて、まったく問題にもならないとはどういうこと…

太陽光発電のミニシステムを手に入れた自立エネルギー時代

「自立エネルギーの時代へようこそ」のタイトルでトークをした。ゲストは、藤野電力の小田嶋電哲さん。3.11以降、2000個近いソーラーパネル発電をレクチャーしてきた。 ずっとやりたかった太陽光発電のミニシステムのワークショップも同時に開催することがで…

貨幣価値を捨て、象徴価値を拾う【バベルの象徴】について

生きるためには、働かなければならないと当たり前に考えられている。日本の社会では、お金を手に入れないと生きていけないと考えられている。しかし、そのお金は生きるためにではなく、商品やサービスに費やされ消えている。気がつけば、消費のための労働シ…

やりたいことを考えた。素朴で欲のない美しい作品をつくりたい。

82歳の老人と立ち話をしたら、盲目のピアニストのコンサートで感動したエピソードを聞かせてくれ、また行きたいと言っていた。また鑑賞したいという気持ちを起こさせるほどの作品をつくりたい。その道程は長く遠い。 今日、家を解体した古材が出たと聞い…

社会が進化すると、人間は退化する。

According as the society has been evolution, human being has been devolution.

成長期を過ぎて老齢に入った日本社会を愛おしくハグするような思想と行動が必要だということ。

寝る前に閃いた。戦後から驚異的な成長を遂げた日本社会は、いよいよ高齢化を迎え、その安全かつ快適な着地点を必要としている。高度成長は既にピークを過ぎて、下降線を辿っている。しかし、経済力を落とす訳にはいかないから、国家をマネジメントする側は…

生きた時間が増えれば、生きられる時間は減る。限りある人生を豊かに。

箱をつくっている。これは、昨年のグループ展に出した作品で、改修中の長屋の廃材を使っている。家を解体すれば、産業廃棄物になる。つまりどの建物も未来のゴミだということだ。マンションが建てられた最初期は永遠に壊れないという都市伝説があったと60…

人と人が理解し合える接点=「信頼」で繋ぎ合わさっていれば、相手の世界も共有できる。それをカタチにするもっとも簡単な技術が「感謝」。

生きることについて考えながら、嫁と2人で、アート作品をつくることや生活を芸術にすることを目指して、やりたくない仕事はやらないで、ひとの役に立つことで生計を立てられないか、と計画してから3年が過ぎた。 ひとりで生きている訳ではなく、社会の中で…

アンチ観光派の【反観光】という冒険についてのメモ

沖縄へ。チフミの妹の結婚式で2泊3日の旅。今回はチフミの両親と姉家族も同伴で、自分がどこへ行きたい、とか手に入れたいモノへの欲はゼロにした。なんの欲もなく眺める観光地。そんなレイヤーで沖縄を体験した。 初日は15時に那覇空港に着いて、家族た…

海や川や湖の水の文化圏を忘れた現代に、開かれた自然と自由がここにある。

2013年、バルセロナでアイルランドのカラックに出会い、すっかり惚れてしまい、それからずっと舟をつくりたかった。カラックをつくっていたアーティストのMark Reddenに影響を受けて、木工をやりたいと思った。Markの憧れは日本の大工で、ぼくはその匠さ…

日本には見えない美しさを愛でる感覚があった。だから日本の職人の仕事は美しい。

先週末に開催した土壁のワークショップは、いろいろ盛り上がって、個性的な壁になり過ぎて、、。さて、その壁をどうしようか改めて観察したところ、浮き上がっている箇所もあるのでやり直すことにした。 今日は雨だったので桶に溜まった雨水を混ぜるうちに、…

「誰かがやりたいことを具現化してお金をつくる」という働き方の実験。

経済は後回しにして、自分が信じることをやりたいように生きてみれば、理解者や仲間が集まり、可能性があちこちに芽吹き始めている。 これは自然現象だ。あちこちに興味という種を無駄に時間を費やして蒔いてきたからで「お金のために働く」の全く反対のこと…

原始未来生活のススメ<原案>

2035年ぼくは60歳。どんな社会で、どんな暮らしをしているのだろうか。人口は2010年をピークに減少し、2100年には明治時代の中頃まで下がると予想され、人が集まる都市部では、高齢者が100万人増えるのに対し、若者は100万人も減ってし…

気が向く方に進めば、思いもしない未来が展開する法則

家を直すようになって、古い家が愛おしくて、朽ちているほど、気になってしまう。津島を散歩していると、屋根が陥没した六角堂の放置されたお寺があって、きっと神様が、そのままになっているだろうから、ぜひとも寺を修理したいと思い、余計なお世話ながら…

2014年からの人生のあらすじ。命を守る家のつくり方

家主と空き家との出会い2014ぼくたちがDr.Kevinに出会ったのは、2014年の夏だった。Kevinは、愛知県津島市に築80年の長屋群を相続して困っていた。300坪の敷地に4棟の家が並び、そのどれも古くなっている。2世帯の家族が住んでいるので、Kevi…

腐朽した梁の交換方法。木造建築は部位ごとに交換できる。

梁が腐朽していた。シロアリ被害も重なり、木材はミルフィーユ状で、何処まで使えるのだろうか。木を叩いてみても素人には、判断しかねる状況だった。 普通なら諦めて専門家に依頼するところを「やってみよう!」という家主のDr.Kevin。木を適当なところで切…