いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

やりたいことを考えた。素朴で欲のない美しい作品をつくりたい。

 82歳の老人と立ち話をしたら、盲目のピアニストのコンサートで感動したエピソードを聞かせてくれ、また行きたいと言っていた。また鑑賞したいという気持ちを起こさせるほどの作品をつくりたい。その道程は長く遠い。

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今日、家を解体した古材が出たと聞いたので、木材を貰いに行ったら、たくさんあった。嬉しかったけど、何をつくるか決まっていないので貰わなかった。代わりに庭に捨ててある鉢を貰ってきた。その庭にあった花を活けてみた。初めて花を摘んで飾ってみた。自然と芸術の関係に興味がある。古い家を改修するうちに、家と自然の関係について学んだから、その経験を活かしたアート作品をつくりたい。

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家の改修で出てきた土壁の残土を再利用したいと考えていたが、嫁のチフミが臭いが強いから対策したいと言うので「土を焼けばいい」と思いついた。

まずに土の匂いについて調べてみた。

面白いことに、その匂いはジオスミンという科学物質で、土のなかに住んでいる放線菌というバクテリアがつくる。だから実は、土の嫌な臭いも、雨が降る前の人が好む土の匂いも同じジオスミンらしい。

だから、やっぱり土を焼けば菌が死んで臭いは消えるのだろうか。

さらに調べるうちに、
「日本全国の身近な土を焼く」という本に出会った。この本は、身の回りで手に入るどんな土でも、温度管理でやきものになることを証明した実践的な本らしい。2年前の春に長野に窯を作ってやきものをして、そのときは、土をつくることができなかったから、新たな展開が見えてきた。知りたいことや目指している先とは違う明後日の方向に、先が展開するとき美しさを感じる。そこに意図を超えた自然を感じる。

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嫁のチフミと2人で一緒に作品をつくることは、自由に生き方を選択できる強いチカラを持つ。100人が否定しても、たったひとりの理解者がいるから、雨にも風にも負けない独立独歩な人生を歩くことができる。小さな取るに足らない作品に感動をつくりたい。

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死ぬまで未完
死んで完成する。

夫婦で作品をつくる
コラージュ・アーティスト
檻之汰鷲(おりのたわし)
http://orinotawashi.com/