いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

森と古民家、キャンプ場開拓計画

朝7時30、ローリング・ストーンズのアルバム、ベガーズバンケットを聴きながら車で岐阜県中津川市に向かった。1曲目「悪魔を憐れむ歌」が流れていた。

財布を忘れたことに気づいて、免許証がないと言うと、チフミが「取りに戻らなきゃ」と。心の中でこのまま行ってもいいのにと思った。その矢先だった。一時停止の道から車が飛び出してきて追突された。

様子を見ていたバイク乗りのおじさんが
「おい、怒った方がいいぞ。相手が一方的に悪いんだから。」
その横でチフミは「止まらないから、あー!」と騒いだ。
自分が責められたような気がして
「財布を取りに戻るなんて言わなきゃ良かったんだよ」と洩らしてしまい
「え!?わたしが悪いの?!」

最悪なムードで1日のスタート。
追突してきた相手は80歳ぐらいのおばあさんで、すぐに車屋の息子が現れ示談にしましょう、という話しになった。幸いどちらに怪我もなく、車は走れるので中津川へ向かった。
                                                     🚙

中津川では古民家を活用する打ち合わせ。この家には裏山があって、それを活用できないか企んでいる。そのひとつとして加子母で開催された木の伐採から小屋づくりまでのワークショップに参加した。そこで講師だった杣(そま)の熊澤くんに出会った。
その熊澤くんを中津川の古民家へ呼んで裏山の森林を伐採の相談をした。すべては計画通りになった。

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家主の青山さんとお母さんと熊澤くんとぼくら夫婦の5人で裏山に入った。
杣と入る森はまったく違う景色だった。木の種類を説明してくれたり、道の由来を話してくれた。いつも驚くのは、機械の動力がなかった時代の杣たちの超人さ。熊澤くんが杣になった20年前には、まだ斧で木を切ったそうだ。川をせき止めて、鉄砲水を起して木を運んだこともあるという。

これまでにリノベ塾と題してワークショップを開催してきた。床貼り、土壁、ソーラーパネル発電。「木の伐採」をワークショップにできないか考えていた。なぜなら、古い家の木材は、近場の森から伐採されていたから。現代ではもう森から伐採した木で木材をつくれるのは専門の機材を所有している業者だけ。だから、人力でそれをやってみたいと考えている。

森の木を伐採して木材をつくり、改修に使いたいと考えていたが、話していくうちに現実的ではないことが分かった。20cm×300cmの木材を市場に卸すと1000円。それを売らずに乾燥に製材すると、かなりコストばかり上がってしまう。
熊澤くんは「任せてくれれば、木を伐採して売ってお金をつくりますよ。その一部を自分のギャラにして、残りを青山さんにお返しするのはどうですか?」と提案してくれた。

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裏山にある資源を使って経済を生み出し利用する素晴らしい計画だ。杣でなければ、その価値も見極められないし、売るルートもない。まさにプロの仕事。家主側は、悩みである森が手入れされ、さらにお金が手に入り囲炉裏を復活するための木材を買える。四方ハッピーになる計画。

実行するにひとつだけ問題があった。森の境界線が明確になっていないことだ。人間が森から離れてしまった為に、所有者が不明な森がある。そうした森と隣接していると、手を出せなくなってしまう。
今回のケースは、隣近所とは話しができるらしいので、むしろ、近隣の森もまとめて熊澤くんに仕事をしてもらったらいい、と話がまとまった。
近隣の人に説明するために資料が必要だということになり、これを書いている次第。

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森の生活 -中津川編-

岐阜県中津川市高山にある築120年の古民家「青山家」は、その建物だけでなく、畑、田んぼ、裏山と、かつての里山の暮らしをそのままに残している。現オーナーの青山均さんは、中津川市内に暮らしながら、週末家を手入れして、その環境を保存している。

東京で生活していた息子の青山剛さんは、昨年祖母が亡くなったのをきっかけに父均さんが手入れをする古民家の活用を計画し始めた。

青山家には、伝統工法でつくられた古民家、薪風呂、山からの天然水、畑、田んぼ、裏山がある。
その家は、さながら100年前の暮らしを今に伝える民族資料館のようで、滞在すれば、自然と共に暮らしたかつての生活を知ることができる。

課題
予算の負担を少なくお金を生み出しながら、あるものを活用していくこと。参加メンバーの生活の糧になること。

計画
森はかつて生活を支えていたが、人は森から離れ、どのように森と付き合えばいいのか忘れてしまった。中津川市加子母で活動する杣の熊澤氏を中心に、森について学び、森と木を利用しながら、古民家を活用していく。

1.熊澤氏が木を伐採してお金に変える。それを資本に家の囲炉裏の復活させる。
→境界線の確定

2.森の一部をキャンプ場にする。そのプロセスを1泊2日のイベントにする。森を開拓する際に伐採した木材でテーブルやイスをつくる。

以下企画案

タイトル
日時
場所
内容
スケジュール
参加費
用意するもの

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