いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

2020-01-01から1年間の記事一覧

巨大な違和感が社会を包み込む。

チフミが「喉が痛い」と寝込んでしまった。 いよいよコロナウィルスの影響が拡大していて、小池都知事の緊急会見をネットで観たら、さらにチフミは不安になってしまった。 夜間にウィルスに感染した人が多く、飲み屋やバー、ライブハウスやクラブなどの営業…

何もないような日にこそ大切な何かがある

昨年の大雨で川のようになった倉庫を片付けた。ギリギリ大きな被害はなかったけれど、土が1センチほど積もっていた。コンクリートが剥がれた箇所を新たに練ったコンクリートで埋めた。生活環境をつくるのがとにかく楽しい。それを生活芸術と呼んでいるけれど…

中心を求めず円想に生きる。

コロナウィルスでいよいよ、東京都に自粛要請が出た。ニュースでは食料の買い占めを報道している。 先週くらいから、食料不足になると予想してチフミに「食料を買っておこうよ。不足するよ」と話したら「いろいろあるからいいよ」と言われた。流石だ。 ひと…

毎日を生きている。それだけで素晴らしい。

本を書いている。コロナウィルスの影響で、都内の生活は混乱しているらしい。妻チフミは、甥っ子と姪っ子の面倒を見に行った。不在の隙に独りでしかできない仕事をしている。 本を書くのは、自分と向き合う作業。自分という容れ物は鍛えないと、負荷を与えな…

地域が活性して桜に包まれる日。

天気が荒れると予報された。アトリエ周辺全体をほんとうの桃源郷にする桜の植樹イベントが行われた。3月14日、当日はまさかの雪だった。 朝8時に行くともう準備している人たちがいる。70代、80代の地域のご老人たち。まだ空はどんよりしているだけで…

生きてきた時間が増えて、生きられる時間は減る。人生の時間は、穴の空いた容器から流れる水のように減っていく。

できるだけ記録しておく。人生の時間は、穴の空いた容器から流れる水のように減っていく。これらはほんとうのことです。 3月9日 いよいよ週末に桜の植樹をすることになり、草刈りや産廃の処理の打ち合わせがあった。 人間が活発に動けば景色は変わる。記憶…

理想のつくり方

イメージが湧いてきた。これは物語になる。断片。世界を描く。都市生活者。ノラ猫。予言。崩壊。繰り返す出会い。ノアの箱船。動物のカップルが列を成して歩く。たどり着く、自然との共生。100年前の暮らし。小説のメモ。 生きるための芸術シリーズ3冊目…

危険なことが起きている

暖かい太陽の光を浴びて昼寝をしていた猫はハッと目を覚ました。 「何かが起きる」それは予感だった。 猫には名前はない。理由もなく生まれて、ただ生きているだけだった。その予感は何か危険なことだった。誰かに知らせなければ。猫は、歩いてほかの猫を探…

展示が終わって次の未来がはじまるクロスポイントにて。

いまいる場所を確認するために文章を書く。どこかに届けるためでもなく、出来事を並べて生きるための地図を出現させ、そこに現在地を記す。いまいる場所が分かれば、進むべき先も浮き彫りになる。 有楽町マルイでの個展が終わった。2週間の開催で、北茨城の…

9年前、東日本大震災を経験した君はそれからどうしたんだっけ?今、このウィルスが沈静化したら、君はどうするの?

東京、有楽町マルイでの展示は残り2日になった。まるでウィルスのカウントダウンのようだ。東京は静かにパニックを起こしている。電車の中、人々は見えないウィルスに怯えながら通勤している。ぼくは、少し遅く朝9時過ぎてからの電車を利用している。 震災…

新しい経済のデッサン。

個展3日目。理想の暮らしを作ると始めた生活芸術の実践がカタチになった。 1.作品をつくる。 2.その環境をつくる。 3.作品を売る場所をつくる。 4.作品を買ってくれる人に出会う。 簡単に言えば、1.生産、2.生産に適した環境、3.卸先、4.購入者。この4つの…

生活芸術「廃墟の結晶」展

生活そのものをアートにするため、理想の環境を追い求めた芸術家夫婦「檻之汰鷲(おりのたわし)」が辿り着いたのは、茨城県の最北端、海と山に挟まれた北茨城市にある里山の限界集落でした。 この地域では、いまだ自然に溶け込むように人間の暮らしが営まれ…

死者を蘇らせる現代

1月は暖かくて地球は大丈夫なのか心配になるほどだった。2月にはちゃんと寒くなって、それはそれで「寒い寒い」と呟いてる。風が強く吹いて、夜には地震があって、ネットでは中国のウィルスのニュースが騒ぎになって、ずいぶん、世の末に接近しているよう…

失われた「祈り」/祭りを再生する試論

生きるための芸術とは、生きるための技術だと考えて表現してきた。けれども、もっと近くに対象があった。身体というツールを見逃していた。これを利用しなければ、いかなる道具も役に立たない。 身体を動かして生きることの大切さを実感している。誰かを働か…

今日できたことが明日できなくなるとしたら。

時間も状況も流れている。変わっていく。同じところに留まらなければ物語が豊かになる。おかげでこの先何が起こるのか予想できない。それこそが「生きている」という感覚なのかもしれない。 今年に入って、芸術祭が始まって、制作が一段落したからなのか、左…

96年前祖母が生まれて、一昨日死んで。ぼくはこの世でまだ道半ば。道は未知。

母からの電話だった。 「横須賀のお婆ちゃんが亡くなったの」 驚きはしなかった。もう10年近く老人ホームにいた。でも、そろそろ会いに行こうと思っていた。数日前から肩が痛くて整体で診てもらっていた。肩の痛みと祖母が他界したことが自分の中でリンク…

何よりも「生きている」それを全力で。

桃源郷芸術祭2020が完了した。北茨城市での3年間の取り組みがカタチになった。合計4つの建物を再生して、500坪ほどの土地を活用できるようにした。そしてこの場所に春から暮らしていくことになった。 2014年からスタートした空き家を巡る冒険は…

野生の芸術について(はじめてのメモ)

何が起きているのかを考える時間にした。大切なことはいまの瞬間にある。いま芸術祭の開催中で会場を作品として展示している。そこで起きたことを記録すると雑多になるので、頭に浮かぶことを書く。 展示をしているときは、人と接するのが主な仕事になる。作…

交わらなければ道が拓ける。

表現している。絵は、いくつもの偶然が重なって事故のように発生する。ぼくは絵描きではない。絵を描く以前にしていることがある。描く以前に行動がある。興味あることの奥深くに足を踏み入れたい。自分で考えたい。誰かの言葉や文章ではなく。「行動して考…