いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

危険なことが起きている

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暖かい太陽の光を浴びて昼寝をしていた猫はハッと目を覚ました。

 「何かが起きる」
それは予感だった。

猫には名前はない。理由もなく生まれて、ただ生きているだけだった。その予感は何か危険なことだった。誰かに知らせなければ。

猫は、歩いてほかの猫を探した。
茶トラの猫をみつけて言った。
「何か危険なことが起きそうだから、ここから離れた方がいいです」

 
茶トラの猫は忙しくしながら言った。
「俺は、食料を集めているんだ。腐らない食べ物もいっぱい集めてあるから離れるなんてできない。何を訳のわからないこと言ってるんだ」

 
猫は目を細めて何も言わずにその場を去った。