いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

生活芸術「廃墟の結晶」展

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生活そのものをアートにするため、理想の環境を追い求めた芸術家夫婦「檻之汰鷲(おりのたわし)」が辿り着いたのは、茨城県の最北端、海と山に挟まれた北茨城市にある里山限界集落でした。

この地域では、いまだ自然に溶け込むように人間の暮らしが営まれ、まるで桃源郷のようでした。けれども、そんな美しい土地にも産業廃棄物が山になって、廃墟のように朽ちた建物があるのでした。屋根が抜け落ち崩れかかった廃墟、草に覆われた荒地、山になった産業廃棄物、このように価値がなくなった土地は、どうやれば再生できるのでしょうか。

夫婦は移住して3年目の春、地域への感謝を込めて、生活芸術の実践として、この土地の再生に取り組み始め、この活動を「D-HOUSE PROJECT」と名付けました。「D」とはDestroy(破壊された)、Dark(暗い)、Disaster(災害)、 Debris(瓦礫)など現状を指し示すキーワードであり、こうしたマイナスな状況をアートのチカラでDelight(喜び)に変えるという意味が込められています。

この活動は、地域に暮らす人たちを活性化し、まさに喜びとなって地域の人たちが桜を植樹して景観をつくるプロジェクトへと発展しました。

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本展示では、これまで彼らが採取してきた様々な表現やテクニックで、荒地と廃墟を再生する過程で抽出されたイメージやカタチ、その地域で暮らしていく日々の出来事などが、アート作品としてご鑑賞頂けます。

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本展示の収益は、引き続き土地を再生していく、井戸掘り、産業廃棄物の撤去、地域の景観づくりなでの活動資金となります。表現することが空想世界だけでなく、現実世界のカタチを変えることが檻之汰鷲(おりのたわし)の目指す生活芸術です。

ブログを読んでくれる皆様も、ぜひ足を運んで作品を鑑賞してみてください。絵は、たくさんの人の心に触れて成長します。皆様のお越しをお待ちしています。