いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

空き家は問題じゃない

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扉を開けると人が集まっていた。2年前は空き家だった津島のルミエールセンターを半年振りに訪ねた。

空き家とは何か
思うに、家主さんがその家を大切にしていたり、そこに愛があれば、空き家ではない。例え使っていないとしても。

この津島の長屋群は、もっと注目を集める場所になる。
なぜなら、
「ここの改修は終わらないです。ずっとやりますよ。それがライフワークですから。」と家主の水谷さんが言う。
ここは小さなガウディのサグラダファミリアで、シュヴァルの理想宮でもある。人生が注ぎ込まれた建築は、世にも珍しい芸術作品になる。家主の水谷さんは、建築家や専門家がおカネでしか解決できなかった木造住宅の構造補強を誰でもできるようにした。

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プロフェッショナルは、報酬を得て仕事をする。逆に言えば、プロはおカネにならないことはやらない。10万円の仕事より50万円の仕事がしたい。誰もがそう思う。
だけど、ぼくたちは、どうしてもこの津島の長屋を再生したかった。1円にもならなくても。実はおカネにならないモノコトの方が、人生にとって重要だったりする。信頼や友情や友達や恋人や結婚や愛や楽しみや幸せや命。人と人の間には、おカネでは数えられない大切なことがある。それはモノと人でも同じ。

 2年前、家主の水谷さん夫婦とぼくら夫婦で始めた空き家再生は、建物の改修は完成しなくても、その過程に集まる仲間がいて、入居者がいて。この日も新たな入居者が決まった様子。

 現在、構造だけを残して、床や壁を新しくする作業中。入居者は、自由度の高い家づくりを体験できる。これだけ自由に改造できる家も日本中見渡してもなかなかない。

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 家は人生を捧げるようなモノではなく、人生を楽しむための道具。もし、家を買えないとか、競争にウンザリしてるなら、思い切って古い家に暮らすのがいい。人の反対側に向かっていけば、ずっとその道を歩けば、それはそれで価値ある人生が見えてくる。答えなんてないし、常識なんて人の数だけあるのだから。

ぜひ、愛知県津島市宝町13 ルミエールセンターを訪ねてみてください。「たんぽぽ屋」という優しさに溢れたショップもあるので案内してもらってください。