いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

生活芸術日記2022.0514

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朝から真菰(マコモ)の苗を植えるお手伝い。桃源郷を作る活動に共感してくれた神永さん84歳がこちらにも真菰を植えてくれるという。

真菰とはイネ科の植物で、お米のように水があるところに生える。古くは縄文時代から食べられたという。マコモの実はワイルドライスと呼ばれ、ネイティブ・アメリカンが食べていたという。それだけ歴史の長い植物だ。

神永さんの周りには元気なお年寄りが集まっている。その様子を見て自分は80代になってこんなに楽しく生きていられるのか。素晴らしい目標になっている。神永さんは温泉も掘っている。神永さんの遊び場所はマッドマックスみたいでカッコいい。やってることの規模が大きい。今日神永さんの手伝いをしながら、神永さんも桃源郷を作っていることに気がついた。妻が神永さんの温泉に入りたいと言ったらタンクで持って帰ればいいと提案してくれた。

お昼は神永さんが注文してくれたカツ丼をみんなで食べた。途中、咽せて吹き出す人や、お互い耳が遠くて五回くらい同じ話を繰り返しても、ここは笑顔が絶えなかった。

午後はぼくらの里山に真菰を植えに神永さんが来てくれた。放置されていた休耕田に真菰を植えた。ここの田んぼの水は湧水だ。自生してくれれば半永久的に食料が手に入る。しかし人類の長い歴史のなかでも、どうして自生して食料になる植物は少ないのだろうか。人間が食べないだけで、採取だけで生きていけるのだろうか。

夕方は神永さんの温泉を薪風呂に入れて沸かした。温まるまで犬の散歩に行ってバンドの歌詞を覚える練習をした。何も考えなくても歌詞が出てくるようになるまで繰り返す。そうやってコトバが身体に馴染むと、コトバにチカラが入るようになる。そのコトバはメッセージになる。

夜は届いたCRASSの詩集を読んだ。英語なので調べながらゆっくりと。Kendric Lamerのアルバムがリリースされたので聴いた。すっかり歌詞が気になって、以前だったら雰囲気でヒップポップを聴いたけど、いまは歌詞がやっぱり分からないので残念に思う。途中でそう言えば原始的なダンスとはどんなものか気になって調べた。現存する民族の最も古いダンスはアンダマン人とヴェーダ族らしい。

こういう興味の向かう先は、技術以前の姿を知りたい。修得するようなモノではなく技術が発生した現場を検証したい。その視点のダンスというものに興味が出てきた。

動画を記録代わりにyoutubeにアップする計画だったのが、いつの間にかお金目当てになって使えない映像になってしまったのを再編集することにした。まずはファイルの整理から。動画をつくり始める前に作品集の英語版を完成させるべきだ。