いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

死後の世界の話。

妻チフミのお父さんが倒れて、緊急入院手術して、死ぬかもと言われ家族も覚悟したけれど、生きて帰ってきた。
そのお父さんからまさかの話を聞いた。それは死後の世界とか三途川とか、そいう生きると死ぬの境目の話だった。

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Chifumi's father came back from world of after life. He told me what the weired story.

お父さんは、2カ月間入院した。その間、コロナのこともあってお見舞いも面会もできなかった。退院する日にチフミが迎えに行くと、看護師さんにおかしな挨拶をした。
「ウチの娘が看護師でお世話になって。それにしても厳しいやつでね。食事の最初のひと口は自分で食べろと言うんですよ」
チフミは何の話だろうかと思った。お父さんと話をするのは退院して初めてなのに。もちろん看護師でもない。
退院したお父さんは、社長に挨拶に行きたいと会社へ向かった。社長にこう話した。
「入院中お世話になって。ウチの孫が死神のことで騒ぎになったとき、助けて頂きました」
その場にいた全員は驚いた。
「死神?」
お父さんは、孫が病院にお見舞いに毎日来ていて、会社の社長もお見舞いに来てくれたと思っていた。もちろんコロナ禍で誰もお見舞いには来ていない。
ここまでは断片的にチフミから聞いた話。

犬を迎えに行って、お父さんに会ったとき、その全貌を話してくれた。

手術から目を覚ました世界では、チフミは看護師でお父さんの担当だった。孫は、毎日お見舞いに来ていて病室には子供と同じ背丈の死神がいた。死神は孫とゲームをしている。モニターに死期が迫った人が映し出され、画面の中で光るとその人は死んでしまう。それを見張るゲームだ。ところが光ったのに死ななかった人がいた。孫はそれをみつけて死神に抗議した。ルール違反だと。それをなかったことにする死神の不正を暴く孫(小学三年生)の活動を週刊文春が記事にした。そのとき、会社の社長は、死神に抗議する孫の味方をしてくれた。
緊急手術で目が覚めて、痛み止めと麻酔で朦朧する意識のなかで過ごす日々、そのなかでお父さんは、現実と無意識の境目を彷徨っていた。
病院が火事になって、ベットを蹴飛ばして騒いだ日もあった。分かれ道があって、右にいくか左にいくかで、生と死が別れる道を選ぶこともあった。生きている知った顔がいる道を選んだおかげで、死ななくて済んだ。死の道の先には、亡くなったひとたちがいた。
ベッドに横たわり、痰を吐くように指示され、両側に痰壺が置いてある。右へ吐けば死ぬ。左へ吐けば生き返る。答えは明かされないまま痰を吐く。子供サイズの死神さまが結果を見張っている。
たぶん、むかしの人は、こういう話から死後の世界を想像したんだろう。

体験した人しか知らない世界がある。それは存在する。少なくとも、お父さんの記憶のなかに。その話を聞いた人のなかに。

To put it simply, he was on the border between death and life for two months after waking up from surgery. He was in a world where reality and unconsciousness were mixed up. Perhaps this is what the ancients called the afterlife. What kind of afterlife do you have in your country?  Or not?

I beleive his story. Because he experienced it. He told me the story. That's all.

興味深かったので
話題にしたいと思って。
けど、リアルでは話題にしないでね。
ここだけの話。