いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

One of thesedays 2020.4.19 コロナの時代を生き延びる。

「新しい時代に突入している」

友達はそう言った。

コロナウィルスで世界の状況は刻々と変化している。ぼく自身もそれに対応して変わりつつある。SNSやネットのニュースを見なくなった。調べても調べても積もるのは不安と不確かな情報ばかりで混乱してしまう。だったら見ないで目の前のことに集中した方がいい。思考までコロナウィルスに奪われたら、未来までも振り回されてしまう。

刻々と生きた時間は増えて、生きられる残りの時間は減っていく。誰も人生に与えられた時間がどれだけあるのか知る由もない。

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目の前のことにフォーカスすると世界が小さくなるように思うかもしれない。ほんとうにそうだろうか。目の前の世界は無限に広がるし、驚くべき奇跡に溢れている。

今日は一日、雨を見て過ごした。窓の外の木々が揺れて、雨が激しくなって、空の雲がどんどん厚くなっていく。同じ瞬間はない。ずっと見ていられた。

 

目の前ことに集中すると、今やるべきことが明らかになる。とにかく家を完成させたい。昨年の6月から改修している。鉄骨の構造以外、ほとんど直しているから、それなりに時間がかかる。これも作品。納得いくものを作ろうと思う。

 

いま、コロナで社会の機能が麻痺している。社会の束縛から解放された時間は貴重。社会からの要求が弱まっているからこそ時間を自由に使える。お金にならないからと焦るよりも、ぐっ堪えて、未来に投資したい。こんな時間を与えられる機会はない。

 

ぼくは健康に生きているし、コロナウィルスに罹る理由がいまのところない。政府に助けてもらう必要もない。だとしたら、そんなことで一喜一憂する必要もない。

 

楽家のJAKAMに年明けアルバムジャケットを依頼された。彼は世界を飛び回りあらゆる場所でコラボレーションして作品を発表している音楽家。音楽に対する姿勢が真っ直ぐで、商業主義にも走らず、淡々と自分の音楽を作っている。そんな彼からアートワークの依頼の声が掛かって嬉しかった。

JAKAMへは彼がインドへ旅に出る直前に作品データを見せることができた。けれど返事は

「今のところピンと来ない。けどメンバーにも聞いてみる」

だった。それが2月だった。

それから一ヶ月以上も、そのままになっていて、先週JAKAMからメールが来てインドの音楽をシェアしてくれた。それをきっかけに電話でミーティングすることになった。結果的には、メンバーもJAKAMも2月に見せた作品を気に入ってくた。

このプロジェクトはMYSTICSという音楽ユニットで、音楽家マーカスヘリクソンと、札幌を拠点にする音楽家Kuniyukiの3人が織りなすエレクトロニックミュージックの探求。

彼らのアルバムの表紙として仕上げるため、更に少し手を加えることになった。

 

JAKAMのコミュニケーションスキル。時間とタイミング、流れのコントロールがユニークだった。常に作品をコンスタントに発表し続けてるだけあって、じっくり時間をかけて作品を手掛けている様子が伝わってきた。

いまは一ヶ月や二ヶ月では、どうにもならない時間が流れようとしている。答えを求めて慌てるより、流れに身を任せて、自分の仕事をしたい。自分の仕事とは、お金だけが対価ではない。自分を成長させることや自分に投資することも自分の仕事だ。

ぼくの場合なら、環境を整えることをしたい。今後は、できるだけ仕事を減らして純粋にクリエイティブな状態でいたい。純粋なクリエイティブとは、目の前のことを対象に集中して表現できる状態のことだ。それが評価されるとかお金になるならないはどうでもよくて、それがやりたいかどうか、ただその一点だけを理由に行動できる環境。

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やりたいことに没頭して創作し続ければ、それは研ぎ澄まされ、鋭利になって、やがて生きるための武器になる。