いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

身辺整理をしながら、改めて大切なモノコトを思い返した日【死ぬ訳でもないから】

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東京に戻り、家を片付けている。いくつか滞在できる空き家と出会ったので、これから漂泊民になってみようと思う。家があると安心だけど、遠くへ飛べないことも確かで、仕事も先が見えなければ不安だけど、見えないからこそ、自分で先の仕事をつくるようにもなる。不安とは自然現象であり、野生の証拠でもある。

東京に戻り、体調を崩して3日ほど寝込んで、週末に山梨の野外イベントで作品を制作し、戻ってきたら携帯電話を紛失していた。失態。おまけにノートパソコンの無線LAN機能が壊れてしまった。

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ノートパソコンは、4年前に購入してヨーロッパとアフリカの旅にも耐えた。池袋の量販店で、修理の相談をすると、このパソコンは、とても優れていたらしく、話を聞いているうちに感謝の気持ちが湧いてきた。考えてみれば身の回りにいろんな道具を持っている。

移動のための軽自動車、ノートパソコン、携帯電話、i-phone、丸ノコやインパクト、矩計、鑿、玄能、のこぎり、カヌー、釣り竿、靴や服、防寒着、布団やテント、両手、眼、足、鼻、口。日々、働いているのは、自分だけではなく、身の回りの道具たちも同じだ。

昨日は、新宿で本の出版の打ち合わせをした。水曜日の16時の予定だったのに間違えて火曜日に行ってしまった。曜日感覚も壊れている。それでも話しは進んで、いよいよ本を出版できる段取りが見えきた。20年来、お世話になってきた人と、こんな形で仕事をする未来があるとは。こんなに身近なところに夢が芽吹いていたとは。嬉しくて新宿から池袋まで歩いた。

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帰り道、ノートパソコンのことを想って歩いた。ずっと共に旅をしてきたし、出版する予定の本の編集作業もして、いろんな仕事をしてくれたパートナーだったと気がついた。もう少しこのノートパソコンに働いてもらって、本をもう一冊、この冬に書き上げよう、と考えて帰宅したら、紛失していた携帯電話が発見された。

東京に戻ってきて、深い谷に沈んでいるようで、遠くが見えないし、自然を感じることができなかったけど、太陽も昇るし月も星も見えるし、風も吹けば青空も広がる。

不安や不調があっても、感謝や愛が勝れば、奇跡は起きる。信じ続ければ、花は咲く。冬から春まで、次の夢を育ててみたい。

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