いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

やってて楽しいこと好きなことを諦めないで。

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これはブログです。45歳の夫婦芸術家の夫、石渡のりおが書いています。妻とふたりで制作する日々の生活の記録をして、その出来事を言葉で耕して、自分自身と対話し、未来を作っているのです。日記とは、日々の記録です。歴史に名前を残した人たちは、皆文章を書いている。本人が死んでも言葉と思考は残るのです。

芸術家と名乗っていても、自営業者というだけです。頼まれてもいないのに絵を描くのです。ひとつひとつ傑作にしようと努めながら、できるだけシンプルな絵を描きたいのです。自然を絵の中に起こしたいのです。絵の中に自然が起きるとは、意図を超えることです。ぼくのアイディアから始まっても、それはきっかけでしかなく、妻と一緒に描くことで、はじまりのアイディアは透明になって別の景色へと溶けていくのです。そこに自我や欲はありません。自分の主張が溶けていく向こう側には快楽があります。見たことのない景色が現れ、目を奪われるような色彩とカタチがハーモニーを奏でるのです。その現象が起きるとき檻之汰鷲の作品になるのです。その1枚がたったひとりの理解者に出会い、そこに価値が生まれて作品は完成します。そうやってぼくらは仕事自体をつくるのです。

 

それでも絵を描くために絵を描くのではありません。芸術のために芸術作品を作るのではありません。生きるために作品を作るのです。ぼくら夫婦は、作るために生きるのです。

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「生」と「死」とはセットです。コインの裏と表。すべての人が生まれ死ぬのです。何を恐れるのか。やがて死ぬのです。だとしたら、何をしていたいですか。お金の問題ではありません。お金では何も解決しません。もちろん、生きていくためにはお金は必要です。だから、大好きなことでお金を稼ぐのです。生きる喜びのために。

 

ぼくには子供の頃から好きなことがありました。幸いなことです。例えば、漫画を夢中で読むことや、映画の2時間があっという間に感じることや、砂場で遊んでいて日が暮れても気がつかなくて夜になってしまうようなことや、音楽を聴くこと、小説の世界に入って朝まで読んでしまうこととか、それらを何と呼ぶのか分かりませんが、それが大好きでした。「それ」には名前もないし、職業でもありませんでした。だから、ぼくは将来何になりたいか、と聞かれたときいつも答えに困りました。

好きなことはあったけれども、それは職業ではなかったから、小学校の作文では「将来サラリーマンになる」と書いきました。ほんとうにそれしかイメージできなかったのです。

 

そして大学生になったぼくは就職活動をして卒業すると、ほんとうにサラリーマンになりました。けれども、やっぱりなりたいものではありませんでした。だから、ぼくは働きながら趣味で音楽やアートを続けました。小説も書きました。

アートを鑑賞していても、本を読んでいても音楽を聴いていても、それでは仕事にならないと薄々と分かってきました。だからと言って、それらが仕事になるとは思っていませんでした。でも、絵を描いているとき、バンドでライブをやっているとき、小説を書いているときは、子供の頃に好きだった「それ」そのものでした。

20代、30代とずっと、バンドをやって、絵も描いて、小説も書いていました。会社で働きながら、家に帰ったあとや休日を利用して。

 

ずっと我慢していました。ほんとうは会社に行って仕事はしたくありませんでした。ほんとうは、ずっと没頭していたかった。けれども、それはお金にならない。そう諦めていたのです。そうしているうちに友達の何人かが音楽や小説で有名になっていきました。ぼくはアーティストが成長して有名になっていくことを知りました。誰もが最初は無名で勝手に表現しているだけなのです。タイミングとか才能の違いで時間がかかることもあると思うのです。死ぬまで何も起こらない人もいます。けれども天才だとか、爆発的に話題になるとか、有名になるとか、お金をたくさん稼ぐとか、そういうことは目に見えるから比較してしまいますが、好きなことをコツコツと続ける環境を維持することの方がずっと大切だし幸せだと思うのです。

 

月10万、20万円でも好きなことでお金をつくる工夫をするだけで、大成功でなくても、むしろそれぐらいだったらやりようがあると思うのです。年収で言ったら200万円。もちろん、もっとお金をつくることも出来るでしょうが、まずそれくらいの目標設定で、低空飛行していけば、きっと自由に飛べると思うのです。

ぼくもまだ途中ですし、金欠で不時着するかもしれないし、だとしてもまた低空飛行で飛び直せばいいんです。高く飛ぼうとしなければ何度でもやり直せる。そういうやり方をみつけることも表現を続ける方法だと思うのです。

 

自分が好きなことや考えていることを忘れないためにもこうやって文章を書くのです。ぜひやってみてください。何万人に見られるとか関係なくて、未来の自分のために今日を記録するのです。今日の思考を書き留めておくのです。今日は急に思い付いて、ぼくのように20代、30代を生き悩んでいる人に書いてみました。

ザンビアのことわざです。

みんなウサギを追いかけるけど、途中で諦めてしまう。諦めなければ、諦めてしまった奴のウサギも手に入るのに。ネバーギブアップ。やってて楽しいこと好きなことを諦めないで。

 

檻之汰鷲ORINOTAWASHI | Painting, Collaging, Sounding, Diving, The Artist ORINOTAWASHI is.