いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

未来はぼくらの手の中に。想像すればイメージを持ち続ければ現実になる。

まるで登山のようで、しかもまだ途中の。家の梁をジャッキアップして、荷締機で梁と柱を引っ張って、家がミシミシと音を立てた。

津島の長屋再生の目標は、耐震化を専門家のチカラを借りずに自分たちでやることだ。なぜなら、ほんとうに家主の側に立つサービスが存在しなかったからだ。

ぼくらはまったく経験のなかったことをやってしまった。最初は道具を扱うことができなくて上手くいかなかった。ジャッキアップひとつ使うことができなかった。トライ&エラーを重ねて、少しずつやり方を検証して実行して、梁の持ち上げに成功した。予想外に梁と柱は仕口でしっかりと繋がっていた。80年前の無名の大工さんの仕事は想像を超える技術だった。だから、この家は簡単には崩壊しない。そのことを体感した。

今日はもうひとつの課題、耐震構造体を制作した。トレスパシオスと名付けたい耐震構造は三角形で、そのカタチをつくるのに苦戦した。想定して買っておいたテーブルソーが役に立たなかった。明日の早朝に買いに行く予定だ。

今日という日は、1年くらいかかって、ゆっくりと歩いてきた目標地点だった。つまり、1年前に見た夢の未来にいる。ぼくらは、そこを超えてさらに先へと進み始めている。

夫婦で作品をつくる
コラージュ・アーティスト
檻之汰鷲(おりのたわし)
http://orinotawashi.com/