いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

2015年開幕 1/360日のレース(2015年1月5日⇒2016年の1月1日)

2015年が開幕した。2015年1月5日から2016年の1月1日まで360日のレース。それぞれ自分が選んだコースを走る。ぼくは芸術家として、いかに生きることができるか。芸術とは、表現すること。それはすべての人間に当てはまる。生活はアートに溢れている。料理をすることも、子供を育てることも、働くことも、みんなそれぞれの人生をつくりだしている。ぼくの場合は、「つくり、伝えること」を選んだ。なぜなら、生きる芸術というコンセプトをつくり、生きる喜びを伝えることを仕事にすることにしたからだ。

いまは、朝5時に起きて、6:30〜10:00まで清掃のバイトをして、その後ボルダリングのジムで壁を登ってトレーニングし、午後は、作品づくりの時間。これはこれで、とても愛らしいバランスの生活リズムだ。収入が少ないから、食費が削られる。しかし、食事は質素になるほど、素材の味を噛み締め楽しむことになる。朝のバイトで時間が拘束されるから、その他の時間がより自由に有効活用できる。足るを知ることで欠くを楽しむようになった。自分の生活が小さくなればなるほど冒険し易く、常に糧を掴む体勢にあれば、日々の出会いや出来事から仕事をみつけるようになった。

1月中にやる仕事は、去年友達カップルにオーダーされた作品をひとつ、クライミングジムのオーナーに依頼された作品をひとつ、2点の作品を完成させること。また4月から始まる、愛知県津島市の空き家再生プロジェクト「空村」での生活のために荷物を極限まで減らすこと。自分に必要なものは何か。アートと家族、音楽、本、それとスポーツを楽しめる健康な身体。まず整理すべきは、音楽の道具。旅芸人のような荷物に仕上げたい。4月からは、家を改修し、村をつくるこという、これまでにない規模の作品づくりに挑戦する。

去年の5カ国の旅をまとめた本を今日、印刷所へ入稿する。これは、出版するために書いたものだが、そう簡単に編集者は「オッケー」とは言わない。なので、デザインから製本まで完成させたサンプル本をつくることにした。そこから足し引きすれば、なんとかゴールできるんじゃないか、という企み。また、この本は、所属ギャラリーを探すための武器でもある。この1冊に檻之汰鷲の表現してきたこと伝えたいことが書いてある。こればバイブルだ。この本をつかってアートシーンを冒険する仲間をみつける。

どこにいたって冒険はできる。始めたら諦めるなんてなくて、先が「ノー」と分かれば、また別の道を進めばいい。答えを確かめないまま、やめてしまほど、無駄なことはない。あと1歩あと1歩、踏み込んで答えを確かめる。


夫婦で作品をつくる
コラージュ・アーティスト
檻之汰鷲(おりのたわし)
http://orinotawashi.com/

生きる芸術のための生活者
石渡のりお
norioishiwata@gmail.com