いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

「生きるための芸術2」を出版するために。

タイミングがやってきた。お笑いで知られる「よしもと」と展示企画することになりそうだ。面白いことやってるからと声を掛けてくれた。ギャラリーや美術館でなくても、ぼくたちのアートをより多くの人に届けることができるなら、それは願ったり叶ったり。

このタイミングを待っていた。去年の10月に書き上げた二冊目の本を出版することにした。「生きるための芸術2」日本編。前作の続き。ぼくは人生をドキュメントしたシリーズを企んでいる。生きたことがそのままコミックスのように続いていく。第2巻。ご期待ください。

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タイミングが来たことを伝えに新宿にある出版社を訪ねた。本を売るための作戦を話し合った。残念ながら大手出版社ではないから、派手な宣伝や書店での協力は得られない。だから、本の出版と個展を同じタイミングにすることで、より多くの人に届ける仕組みを計画している。

出版社の社長さんは、音楽が好きで、音楽関係の編集プロダクションを経営している。自主制作で運営するパンクバンド、できるだけたくさんひとに届けるように楽曲をつくるJPOPのアーティスト、政治的な歌を得意とするベテランロック歌手、グッズが売れまくりカリスマと崇められる伝説の歌手、いろんなやり方を見てきた。それぞれのスタイルがあるけれど、良い悪いとは別に、それぞれの器の大きさがある。その器の大きさが活動の範囲、届く範囲を決めている、と社長さんは話してくれた。

その夜、親友の彫り師に会った。久しぶりに東京に来たし、アイツどんな調子だろう、とも気になったし、たくさん楽しんできた友達だ。刺青と聞くと日本には悪いイメージがある。けれど、友達の彫り師は誓って善良な人間だ。週休1日で毎日働いている。家族のために。毎日下絵を描いて、新しい日本の刺青を追求しているアーティストだ。

その夜、2人で「つくる」ことを語った。共通しているのは「没頭していたい」これに尽きる。チフミとぼくの絵を気に入ってくれていて、新作をオーダーしてくれた。

その夜、オーストラリアから作品が届いたよ、とメッセージが来た。受け取り人は、はじめてアートを購入したらしく「さっそく、仕事場に飾って眺めている、すごいパワーを感じる。これがアートなんだね」

とメッセージをくれた。

世の中にはアートを必要としている人がいる。アートは人類のはじまりから存在しているのだから、消えてなくならないし、これからもずっと社会なり人に対してなりの役割がある。そこに作品の個性がある。その楽しみや喜びを伝えるために個展を開き、アートとは何なのか伝えるために本を出版する。

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ぼくが信じるアートは、ここにしかない。人生のなかにアートがある。毎日の生活のなかにアートがある。自然を利用して生きようとする人間の知恵にアートがある。どこか遠くに行かなくても、目の前のほんの小さなところにアートがあるとき、ぼくたちの誰もが幸せに生きることができる。嘘じゃない。ぼくは、そんなことを証明するために、アートという方法を選択した。アートとは、生きるための技術だ。