いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

One of these days 45

東京から北茨城市に帰る。途中、水戸のKEISEI百貨店に北茨城の芸術家、毛利元郎さんの作品展に寄る。毛利さんは、イタリアの景色を描く。奥さんが作品の額をつくる。

「90年代にイタリアに1年滞在して、はじめてなのに懐かしい気がして、そのときは、現代アートをやっていたのだけど、イタリアの風景を描きたいと思って、それから14年くらい、なかなか食べていけなかったけど、ようやくカタチになって」

「イタリア、記憶の風景」と題された個展に北茨城の海の絵がある。イタリアではない、この絵は、どういう意味があるのか尋ねると

「実家のある北茨城にアトリエを構えて、この地の海を見て、描きたいと思うのだけど、理由がないと描けないんだよね。ぼくの場合は。だけど、北茨城の海を見ているうちに、太平洋の海の向こうにイタリアがあると思うようになって」

北茨城の海を描いた作品もまた「イタリア、記憶の風景」だった。

毛利さんの作品は200万円から3万円までバラエティーある価格帯で、4分の1くらいの作品が売約済だった。いま、絵が描きたい時期なので、とても参考になった。

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北茨城に戻ると、TSUTAYAに寄って雑誌を立ち読みした。D.I.Yで小屋を建てる雑誌のページをめくりながら、簡単な小屋のようなバーをフジロックでつくれたらいいな、と考えた。ウィンドサーフィンの雑誌を見て、風を利用した作品をつくれたらいいな、と考えた。

チフミは、カルフォルニアの家を特集した雑誌のページをめくりながら、家に飾ってあるアート作品をチェックしていた。

イメージやアイデアやヒントは、見たこと聞いたこと、体験したことからしか生まれない。一日の些細な出来事を記録して、未来をつくる。

 

 コラージュアーティスト
檻之汰鷲(おりのたわし)
http://orinotawashi.com/