いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

One of these days 35

5月4日木曜日
朝7時起きる。
目が覚めてすぐ運動したくなる。ストレッチ、腕立て、腹筋。

午前中に北茨城市に提出する書類を作成。
雨が強くなって雹に変わる。バチバチと激しい音がする。
今年の計画をチフミと話す。海外にコネクションを増やすこと。ボストンに行って感じた。アメリカのアートマーケットは巨大だ。

依頼されている作品のアイディアをまとめる。

午後
冷蔵庫が届くのでArigateeにいく。滞在制作しているクロダ氏と話す。とてもいい場所だと喜んでくれた。何かお返しができれば、とArigateeを広める協力をしてくれると言ってくれた。ぼくは、まずクロダ氏がよい体験をしてくれればそれが何より嬉しいと伝えた。きっとクロダ氏がよい体験をすれば、それは必ず次へと繋がる。誰かの未来を明るくする。なぜならArigateeは貨幣経済のそとにある施設だから。ゼロ円だからこそ、おカネを超えた価値が発生する。

 

DJ KOZEというアーティストの音楽を昨日から聴いている。

 

北茨城の海の近くの家を探しにいく。大津港、平潟、長浜の辺り。とくに長浜はお気に入りの場所。そのスポットで海を眺めていると

「パン!パン!」
と破裂音がする。

振り返るとお婆さんが玄関でピストルを持っている。ここは日本。お爺さんも出てきて、これで野犬を追い払っていると教えてくれた。

「いい場所ですね」
と声を掛けると

「そうね。月なんかよく見える日は海にも月が見えるよ。けどね、台風のときは風が鳴ってうるさいよ。台風は大変さ。あと塩害もあるね。車なんてすぐ傷むよ」

このお爺さんの家の前の空き地に家を建てたいな、と空想していたところだった。お爺さんの話は現実だった。夢が現実になるとそんな気持ちになるのかもしれない。だったら夢のままでいいか。

帰りの車のなかでチフミと「海の近くと言っても、海の目の前は、住むというよりは別荘向きなのかもね」と笑った。

 

海の傍に住みたいと言って2013年から旅をはじめ、今では海まで走って30分の場所に住んでいるのに、それよりもっと近くに住みたいと思っている。とっくに夢は叶っているのに、そのうち海のうえに住みたがるかもしれない。というか海のうえに家を建てるプロジェクトをやった方が面白い。閃いた。巨大な筏のうえに家を建てる。東南アジアにはそういう住宅がある。海って誰のものなんだろう。

 

帰り道、大きな虹が出た。

夜は、デザインの仕事を妻チフミと分担してやった。
「旅の疲れが取れない気がする」と呟いたら「気合いが足りないんじゃない」と言われた。

気合いだ。

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