いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

One of these days 34

5月3日木曜日
朝9時に起きる。
朝食後、舟について調べる。ぼくは舟をつくりたい。2016年に諏訪湖でカヌーをつくり、2017年は北茨城市でペットボトルの筏をつくった。舟に憑りつかれている。

ぼくが初めて惚れた舟はアイルランドのカラック。2013年、旅をしたときバルセロナで出会った。タンザニアでも舟に乗った。舟が好きで、浜に置いてある舟を漁師から10ドルで貸してもらって漕いだ。転覆しないように舟の横に浮きがつけられていた。大きな木製のスプーンのようなオールで漕いだけど、全然進まなかった。

舟とは人類最古の道具だと思う。大地を移動する車輪より古い。日本最古の舟は丸木舟。現在、日本で舟をつくる船大工はどんどん減っている。調べているうちに常陸大宮に和船をつくる職人さんをみつけた。2016年の記事で85歳。現役でやっているだろうか。GWが空けたら常陸大宮の市役所に問い合わせてみよう。
日本人の生活は海や川から離れている。離れると無関心になる。無関心になると川や海の状態が分からなくなる。触れないのだから綺麗だとかどんな生き物が住んでいるのか知らなくなる。一部の学者を覗いて。学者が知ることより、日常生活をするひとが触れることの方が何千倍も意味がある。でなければ平気で生態系を破壊してしまう。日本は世界屈指の自然豊かな国だ。

ぼくは絵を描いて、それを売って生活する。けれど、それだけでは自然の循環のなかに生きていない。だから舟をつくって海と遊ぶ。森に入って木をみる。

12時。ギャラリー&アトリエArigateeに滞在する音楽家のクロダセイイチ氏を大津港駅に迎えにいく駅の改札を出てくるクロダ氏に親近感を覚えると同時になんだか恥ずかしい。けれど初対面ではない。

10年前。ぼくがバンドのマネージャーをやっていたときクロダ氏に名古屋で会っている。クロダ氏はgenius pj'sというヒップホップバンドをやっている。twitterで制作に集中する場所を探しているという投稿をみて、声を掛けたら知り合いだった。

 

お昼を一緒に食べながら話した。
「東京以外の場所で活動することに興味もあって。いろんな付き合いもあって、仕事もあって、制作に時間を割くのが難しくなってきて。それでもやってますが、この先、60歳まで続けるなら、このままではで続けられないな、と思って。いろんなひとのやり方にも興味があって。今年は知らないこと、新しいことを積極的にやろうと思って。だからとても楽しみなんです」

話しをして嬉しくなった。北茨城の奥地、揚枝方に誰が来るのか、と半信半疑だったから。

食材を買い出して、Arigateeを案内して、クロダ氏の機材をセッティングしてチェックイン完了。作品が生まれる場所Arigatee が動き出した記念すべき日。

 

家に帰ると、時差ボケか全然頭が冴えなくて、Netfilixで”wild wild country”という宗教家OSHOを取り巻くドキュメンタリーを英語字幕で観た。

人間が何かを本気で信じるとき、奇跡を起こすほどのエネルギーを発揮する。

When you believe something seriously, you will get energy that is called miracle.

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