いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

「お前がお前を信じなくて誰がお前を信じる?」by SAFARI

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今日は音楽の話しがしたい。なぜなら、2月9日にライブをやるからだ。ぼくは、夢のない子供だった。小学一年のとき、将来何になりたいか、という作文で何も浮かばず、サラリーマンと書いたのを覚えている。

初めて体験したコンサートは、小室哲哉TMネットワーク中学生のとき。場所は忘れたけど、2階席で座って見てたけど、突然の衝動で立ち上がった!(周りは座っているけど笑) これが音楽の原体験だった。

高校生のとき、地元の友達に誘われて、先輩たちとクラブに行った。芝浦のGOLD。分けもわからず、隅のほうにいたけど、深夜2時くらいになって、フロアに出て踊った。カッコいいとか悪いとかなくて、みんな勝手に踊りを楽しんでいるんだ、と知った。

高校生の文化祭で、教室をライブハウスにして、ベースを友達から貰って、ついにバンドをやった。

16歳になった頃には、夢を持つようになった。音楽に携わって生きていきたいと思うようになった。それからいろんなライブハウスやクラブに遊びに行き、友達や先輩と出会い、その繋がりで、音楽を仕事にできるようになった。

10代から20代は、自分の夢ややりたいことを理解してもらえなかったし、叶えられるような場所もなかった。けれども、好きで仕方がないし、それ以外には考えられないから、ずっと音楽の傍にいた。想いは伝わる。願いはいつか叶う。

結局、高校の学園祭でやった音楽イベントが自分の仕事になって、バンドもCDをリリースして売っているわけじゃないけど続けてきた。28歳のとき、自分が交通事故に遇い、それとは別に親友のバンドのメンバーが死んだ。

ぼくには、伝えたいことがあった。けれども勇気がなかった。交通事故と親友の死をきっかけに「やりたいことをやりたい」その気持ちが、心の底から沸き上がってきた。

ぼくは、文章も書きたいし、絵も描きたかった。でも才能がないと諦めていた。いや、何もしていないうちから、才能がないと決めつけられていた。

ぼくの好きなパンクバンドSAFARIはこう歌う
お前がお前を信じなくて誰がお前を信じる?」


ぼくは、誰に頼まれることも評価もなく、バンドを続けて、文章を書き続けて、絵を描き続けた。それが売れるとかおカネになるとか、それよりも、表現したくて伝えたくて。

ほんとうは
誰もが可能性の塊なんだ。

ぼくのバンドは、ポップスじゃない。ぼくは、聴いたことないような音楽がつくりたかった。大好きな音楽を全部詰め込んだような。パンクロックでハードコアで、ヒップホップでダンスミュージックで、実験的なクラウトロックのようで、真っ直ぐな日本語の歌を。

今回のライブは、16年前に亡くなったメンバーの子供が、16歳になって、音楽好きになっていて、ぼくたちのバンドに参加する。そんな奇跡が起きた。普通じゃない音楽なのに、その子は、このバンドにぴったりのギターを奏でる。ちょうどぼくが、コンサートで、立ち上がったり、夜こっそりクラブに行った年頃の彼が。

大丈夫。ダメだとか、
できないという大人はたくさんいるけれど
それは、やったことがないからそう言うだけだ。
何歳になったって夢は叶えられる。
70歳から星の観測をはじめたひとだっている。

この地球という惑星のうえで
繰り広げられる回転と偶然のマジック。
種も仕掛けもない、ほんとうの魔法。
ぼくは、そういう偶然に巡り合うとき感動する。

 

クラブで踊って何が悪い。アンダーグラウンドは、ルールが曖昧だからこそ、いろんな実験や挑戦が繰り広げられている場所で、そこから文化が誕生する。いつだってカルチャーは、マイノリティーがつくる。それをマジョリティがビジネスにする。

浮気や不倫なんてどうでもいい。それより酷い状況が社会に蔓延しているじゃないか。そもそも、テレビやネットでのネガティブなニュースもどうでもいい。目の前にいる君やこれから出会う誰かと過ごす時間の方が重要だ。

世の中には、つまらないニュースばっかり溢れているけど、楽しい場所もある。よいニュースもある。

もし音楽に興味があるなら、2月9日の渋谷LUSHに遊びに来てほしい。驚くほど、最高の雰囲気のなか、素晴らしいバンドたちが、夢を叶えて音楽を演奏している。それを聴いているひとたちもまた、たくさんの夢を抱えて輝いている。

2018.2.9.Fri FALSETTOS 1st Album Release Party
@Shibuya LUSH
LIVE
NINJAS
NOINONE
Tropical Death
in the sun
sing on the pole
FALSETTOS
●OPEN 18:00 / START 18:30
●ADV 2000 / DOOR 2500 (+1D)