いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

いくつもの人生があっても、生きるのはひとつの道。

人生はいろいろ。ほんとに。いろんな人の数だけある。人と人が重なるのは一瞬のこと。友達とか仕事とか愛や恋や。自分の人生は自分にしか見えない。

f:id:norioishiwata:20170405093226j:plainそんなぼくの昨日の人生は、北茨城市の新しく暮らす家で目覚めてスタート。GWに展示する動物をつくった。嫁のチフミはオランウータンを、ぼくはキツネとネコを。午前中に、少し前に暮らしていたお隣さんが置いていった洗濯機が運ばれてきてゼロ円で入手。ラッキー。洗濯機は洗濯できればいい。それ以上の機能はすべてオマケだ。

お昼は、チフミがつくってくれた満足のランチで、デザート代わりにパンにバターをつけてコーヒーを飲みながら食べていたら、バターをコーヒーの中に落としてしまった。残念な気持ちになったけど、全部飲んでみた。味はイマイチだったけど、お腹の中では同じだから、まあいいと思う。

 気をとりなおして、キツネを磨いて仕上げた。その間、チフミは東京に帰るための荷造りをしてくれ、15時に出発すると、なんと車の調子が悪い。ぼくらは2年前に中古で買った軽自動車を【ホワイティ】と名付けて親しんでいた。何でも名付けると愛着が湧くし個性さえ溢れてくる。ホワイティは、言うならば馬だ。ぼくらを乗せて、約2年間で地球一周ほど走ってくれた生き物。イエローハットに行くも、修理できないと言われ、騙し騙しなら走れるかも、という言葉を信じて東京に向かった。距離にして160km。ホワイティは、信号で止まる度にエンジンが止まってしまう状態。それでも高速をかっ飛ばして(時速80km)、東京に着く頃には、信号でも止まらなくなって、なんとか車検をしてもらったお店にゴールした。

お店のお兄さんは「よくここまで走ってきましたね。キャブレターが吹っ飛んでますね。」お兄さんは、代車を手配してくれ、ホワイティの修理を見積もってくれることになった。

 考えてみれば、愛知県津島市の空き家に暮らすのをきっかけにホワイティを14万円で買って、それから三重県岐阜県、神奈川県と空き家を巡る冒険はすべて彼のおかげだった。修理をしてくれるお兄さんは「軽自動車は人間に例えるなら10万キロで100歳ですから。」と教えてくれた。100歳の老人を足にして走り周っていたぼくらはかなりアホだけど、無知って最強説あるかも。

f:id:norioishiwata:20170405095044j:plain別に高級でも特別でなくても、愛して大切にすれば、モノコトは、応えてくれる。敬愛する宮本武蔵は、五輪書で、一切の無駄をなくすことを説いている。ぼくには、まだ無駄が多いけれど、一日という過ぎ去っていく今日を感謝する気持ちは、無駄を少なくしてくれるかもしれない。他人の人生や社会のエトセトラを覗く窓はたくさんあっても、自分の人生を覗く窓はひとつしかない。今日も感謝して生きれば、不幸中の幸いってシチュエーションが、人生を助けてくれる。