恵比寿ガーデンプレイスでゴールデンウィークに小屋を建てることになり、それはそれで最高なオファーなのだけど、茅葺き屋根にしたい、という仲間のアイディアで、しかも茅も山に刈りにいくという100年前にタイムトリップする話になって、嫁と少々喧嘩しながら茅葺き屋根をどうやってつくるのかシミュレーションをしてみた。
そもそも、小屋の材料をゼロ円で、社会が必要としない、あちこちから集まったモノで建てることにして。茅も、いまでは使われない技術だからぜひ再現したいところだ。柱は、いま暮らしている古民家の森に倒れている木を使うことにして、森を歩いて木を選んだ。まさにこれが「気取る」の語源だと閃いた。
そもそも家とは竪穴式住居に遡る。きっと専門の技術者なんていなかった。実は、屋根とは、ティピや竪穴式住居のようなシェルターがルーツらしい。シェルターの空間を広く使いたい想いが壁を立ち上げた。だから小屋は、空間を囲う構造と、シェルターの屋根でつくられている。なんなら、箱をつくって、雨をしのぐ屋根をつければ「家」になる。では、何が屋根に適しているのか。調べてみると、「片流れ」「方形」「寄棟」「妻切り」が主な屋根のカタチ。
イメージ的には「方形」がいい。考えてみれば、ザンビアで建てた泥の家にすべての要素が詰まっていた。それが「家」のオリジナルだった。
記憶を頼りに模型で再現してみた。ここまでやって全体像がみえてきた。これは実現できる。
やりたいことは、いくらでもある。欲しいものは、頭の中にある。
今朝、起きてすぐに陶芸をやることにした。1月に粘土でつくった動物を焼くので、窯をつくるところからスタート。
森のイノシシが掘った穴に
瓦とトタンと缶で窯の完成。
窯に火を入れて、粘土でつくった動物を焼いた。朝起きてから寝るまで、つくることばかりを考えている。なんて幸せなのだろうか。 眺めているうちにこの窯が作品だと気がついた。ラクではない仕事だからこそ発見できた。とびきり原始的な技術こそが、アートそのものだと。「技術」こそがアートの語源なのだから。
とびきり原始的な技術でつくられた小屋も、その「技術」こそが作品になる。技術は、インストールできる。つまり人生の武器になる。原始的な技術は誰でも使える。シンプルだから。という訳で、4月には、東京の恵比寿で「生きるための技術」のいくつかを発表するので、ぜひインストールしに来てください。
屋根さえつくれれば、何処にでも家をつくれる。