いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

生きるための活動=理想の生活

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夜10時。1日の仕事を終えて、これを書いている。
 約一週間、東京に出稼ぎに行ってきた。ある閉店するボルダリングジムのマットを別のジムに運び、そのジムのマットと入れ替えるという難易度の高い仕事だった。深夜12時に始めて終わったのは昼の12時。気合いが入った。それは登山のようだった。
ボルダリングの仕事の他に、春の展示に向けて、シカとオランウータンをつくった。つくりながら、正直な話、動物なんてつくって、売れるのか不安だった。それでも、つくるしかない。それを仕事にすると決意して3年が過ぎた。

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 嬉しいことに、11月に湯河原で展示していたニホンオオカミが4点も売れた。東京ではペンギンと海の絵を2点売った。これで生き延びることができる。嫁と2人で作品をつくり、それを売って生きる。これほどシンプルな暮らしはない。これは、かつてのライフスタイルにヒントを得ている。例えば、山奥に暮らし、籠や日常の道具をつくって街へ出て売るような。

 朝から中津川の古民家の改修のアイディアを家主さんに提案した。材料的にも予算的にも、内容的にもシンプルなミニマルプラン。基本的に家は、住めればそれでいい。あとは、ファッションだと思う。つまりお洒落。それはそれで楽しめばいい。そもそも、戦前の住宅は大工による手仕事で、国産材を使い、とてもしっかりしている。古い家は道具だ。使いこなすことができなければ意味がない。

 午後は、つくり途中の作品に宇宙を描こうとしたが、どうにもカタチにならなかった。宇宙をつくりながら、車の移動中の景色に着想した作品をつくった。夜の10時まで作業したが、宇宙はつくれなかった。明日、また作業スペースを広げて、再挑戦することにした。 

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 食事はチフミがありあわせの材料でつくってくれる。薪で風呂を沸かした火を七輪に移して、調理する。少しずつ、消費と生産のバランスが、生き延びるための生活スタイルへと変化していく。何を買って、何を買わずに済ませるのか。そのために何をつくるのか。生き方自体を創意工夫して、生活をつくる。

そんな風にして1日を過ごせることに感謝して、明日こそは、宇宙をモノにしたい。

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