いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

空き家を訪ねて日本を旅する計画 安乗編

いつか、海のそばの空き家で、作品をつくり、舟に乗って魚でも獲って暮らしてみたいと想像していた。人間と海の関係について生活レベルから調べてみたかった。

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志摩の安乗で漁師をやるのりくんと伊勢で知り合い「遊びにおいでや」の言葉に誘われて昨日、志摩の半島の漁師町、安乗を訪れた。

歩けばすぐ空き家に出会う。家は平屋で色が海沿いの町らしい。家は贅沢ではなく大きくもなく簡素につくられている。あちこちにトタンの壁でつくられた簡易的な海女の小屋があった。もう朽ちて自然と一体化するような家もあった。解体しなくても自然に戻る家もそれはそれで理想かもしれない。

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のりくんは20代、東京で美容師をやっていたらしい。結婚して一児の父になり、その後、地元に戻り夫婦舟で漁師を営む両親と、一緒に海に出ることに最近決心したらしい。

海なんて眺めるには美しいが、海に呑み込まれる側だったらそれは恐ろしい。動力がなかった頃の漁師がどんな仕事をしてきたか、想像を絶するとノリくんが話した。

安乗は海といっても海水浴場でもないから、人はほとんどいない。そのランドスケープの美しさに目が留まる。海の近くに暮らし、この景色の中に作品を残してみたいと思った。

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チャンスはあちこちにある。でもその機会を獲りに行かなければ、その想いを遂げることはできない。今年の夏は、安乗で滞在制作したい。愛知県津島市岐阜県中津川市三重県志摩市の安乗と、2年前に想像した空き家を訪ねて日本を旅する計画が動き出している。

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