いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

空き家解放の考察に関するノート

昨日、夢で壁を登る男が言った。
「もっと計画的にゆっくり登るんだ。」

なるほど最近は、なんでも思い付きを行動にしてトライ&エラーを繰り返してきたけど、もしかしたら、完全犯罪のような計画的な実行の仕方もあるのかもしない、と目が覚めて気がついた。

このところのミッションは空き家。東京以外に複数の拠点をつくりたいと考えている。ひとつは、Mオーナー自身が空き家を必要最低限の改修で活用するアイディアを貯めている。いつも様々な角度で計画案を提示してくれる。ぼくは、オーナーと共にこの物件の再生を手掛けたいと考えている。
明日、津島に別の物件を下見にいく。前回はプロジェクトが不成立になり、移住が延期になり、新たな物件Hの話が飛び込んできた。これらの物件を通して空き家問題にリーチするプレイヤーとして手を挙げたい。なぜなら、家が生きていることを知り、その死があることを受け入れたうえで、空き家再生に取り組まなければならないとを知ったからだ。

資本を投じて立派な建物にしても、それは人間に対する延命と同じで解決の仕方で問題を先送りにしただけだ。もっと家の死について向き合う考え方を普及させたい。つまりは人間の死の問題にもリーチする。

 

ぼくが考える空き家の活用とは、空き家を取り壊す前提で、それに向かうための準備をすること。壊すことがゴールであれば、改修は最低限でよく、雨風をしのげれば充分で、寒さについては、ひとつの部屋だけが暖かくなるようにすればいい。大きな家でも小さい単位で捉えていくのがいい。

計画を実現させるためのルートを整理する。
1)生業として成立するかの実験を始める。
空き家の活用で収入が得られるのか。それを拠点にほかの生業をつくることができるのか。
主には空き家に関することが商いになる。
・空き家の片づけ&掃除
・入居者のマッチング

2)アーティスト夫婦が利休の教えに倣い、空き家に滞在して旅をする計画を発表する。日本全国に空き家で困る人たちから情報を募る。
■空き家状態について
A.そのまま住める
B.荷物の処分が必要
C.多少の修理が必要
D.屋根はあるがボロボロ
E.半倒壊

ぼくの考える計画のひとつは、世界を旅したように日本の旅すること。行先をランダムに決めるために空き家との出会いを利用したい。もうひとつの視点は、社会問題に取り組む社会彫刻としての空き家解放計画。この2つをカタチにしたい。

 

 

夫婦で作品をつくる
コラージュ・アーティスト
檻之汰鷲(おりのたわし)
http://orinotawashi.com/

生きる芸術のための生活者
石渡のりお
norioishiwata@gmail.com