いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

不用品のなかの美しさ

日曜日に薪づくりをしようと準備をしていたら電話が鳴った。「もしもし。お皿と木があるから使いませんか。以前新聞でそういうものを集めていると読んだので」 という話だった。家を直すための廃材を集めた去年の新聞記事を読んで覚えていたのだろうか。妻チ…

表現の深層へ

作品集をつくっている。振り返ってみれば「表現したい」という強い意志だけがあった。何かを学んだわけではないけれど好きなことだけはあった。音楽、漫画、アニメ、小説、映画、物語の世界に没頭するのが好きだった。 はじめは文字をつくった。物語世界の設…

生活の中の小さな活動/一日の積み重ね。

生活の中の小さな活動に焦点を当ててみたい。「自らの小さなことの偉大さを気づかないものは、すべての小さな偉大さを見逃してしまう」と明治時代のアートプロデューサー岡倉天心が書いている。自分にとっての小さなこととは、日々の些細な出来事だと思う。…

はじめに「死なない」基本設定をつくること

芸術家を目指してきた。理由はもっとも解釈が自由な職業だから。職業だということはそれを収入にしている。絵を売ることに加えて生活もつくってきた。生活をつくるとはライフスタイルをつくることでもある。どんな場所で、どんな仕事をして生きていくのか。…

檻の中の鳥が大空を羽ばたく自由な鷲になる方法

自分が何をしているのか、何度でも問い直す。毎日確認してもいいのかもしれない。ムスリムのように1日5回、問い直せばいい。なぜなら毎日、寝て起きて、死んで生まれ直している。昨日の想いが、今日へ引き継がれるとは限らないし、明日には忘れているかも…

身の回りのモノを利用して生き延びる技術。

職業は芸術家。集落支援員。妻と二人で限界集落に暮らして、その行く末を見守るだけではなく、日本の端っこ、自然に囲まれた田舎の未来をつくる仕事をしている。芸術家としては、日々、文章を書いて絵を描いて、立体作品をつくって、土器づくりの準備を進め…

今日という一日。たくさんの出来事が織り成して、次への足場をつくる<後編>

<前編はこちら> norioishiwata.hatenablog.com 家にいた妻チフミが「今日は友達がタロットをはじめたって遊びに来たよ。窯を使ってみたいとピザを焼いたけど扱いが難しかった」と言った。 夕方からは、窯でパンを焼くためのパン生地づくりの作戦を練った。…

今日という一日。たくさんの出来事が織り成して、次への足場をつくる<前編>

陶芸の師匠のところに遊びにいく約束だった。窯をつくったら「いろいろ教えたいことがあるから」と声を掛けてくれた。北茨城市に暮らす陶芸家の真木さんは、3年前、弟子にしようと言ってくれた。でも陶芸がやりたい訳ではないのでほんの少しだけ教えてもら…

モノの役割。役を読み換えて世界を演じさせる。

夜寝て、朝目を覚ます。今朝は、霜がおりていた。いよいよ冬になった。世界は変わっていく。小さなことも大きなことも。 昨日の夜、種から育てているマンゴーの苗木を家の中へ入れた。もし出しっぱなしだったら枯れていただろう。夜と朝の間に、死と生があっ…

夢かもしれない。でもその夢を見ているのはひとりじゃない。

とても生きるのが難しい時代だと感じる。情報やモノに押し流されそうになる。だから、自分が生きるための環境をつくることにした。絵を描くにしても、絵を描く環境に左右される。されない人もいるかもしれない。厳しい環境に身を置いた方がいい絵が描けるの…

自然が裸になるとき/NAKED NATURE

つくること。作品にすること。表現すること。現代社会では、それをお金に変えてはじめて評価される。何千万円で売れた絵画は成功の称号を与えられる。いま人類にとって必要なことは、そういうことなのか、と大真面目に疑問に思う。 したいと感じることをカタ…

就職しないで生きていくこと

週末ラジオ番組を生放送した。「NINJA HOUSE CLUB」茨城県常陸太田で友達の音楽家SINSENくんは、この古民家を拠点にゲストハウスを運営し、ギター教室をやって、本人は音楽家、DJとして活動している。2年ほど前にようやく、このスタイルに辿り着いたと話し…

芸術活動という多様性

明らかに新しい環境に突入しているので、状況を知るためにも日記を書くことにした。9月の終わりに、文化庁の芸術家支援助成金に応募して20万円の補助を受けることになった。30万円の予算に対して20万円、つまり2/3を支援してくれる。だから20万円の支援のた…

忙しくもないし、暇でもない。するべきことはあるけれど、誰かに急き立てられることはない。つまり自由に生きること。

時間が緩やかに流れるようになった。忙しくもないし、暇でもない。なにかしなければいけないことはあるけれど、誰かに急き立てられることもない。ぼくは自由が欲しかった。たぶん、今はそれを手に入れて、ぼくは自由のなかで生きている。そのことについて書…

檻のような社会から脱出し大空を飛ぶ自由な鷲になる

ぼくは芸術家になった。40歳を前に退職して妻と二人で表現することを職業にすると決意して、7年が経って、ぼくは妻と二人で関東の最北端、北茨城市の山のなかの集落に生活環境をつくった。3年前に北茨城市が芸術家の地域おこし協力隊を募集していて、そ…

行動日記ー自分がしたことに今現在があらわれる。

2020年10月16日(金)朝起きてパンとコーヒーを食べた。そのあとストレッチ。手足の先まで伸ばす。最近は姿勢をつくるために座禅している。身体と向き合うのが課題。腹筋と腕立てをする。今日の草刈りに備えて道具の手入れをする。草刈りの歯を交換する。9…

何でもない1日の記録。

出来事を書く。朝起きてコーヒーを飲んでパンを食べた。チフミが作ってくれた。そもそもチフミに起こされた。7時30分。今日はサーフィンに行かなかった。昨晩はnetflixでハンナアーレントの映画を観ようと思って検索したらもう消えていた。変わりに「カリ…

ますます抽象的になって より美しくより適切になる

あまりに早く目が覚めた。深夜2時。波乗りのために5時に目覚ましをかけていたから、起きることにした。昨日も波乗りに行った。南風で波が良さそうだった。午後一で海に着いた。波は大きかったし数も多かった。実際に海に入ってみると、さらに波は大きかっ…

理想の暮らしの次に展開すること。

正直な言葉がいい。今朝起きて波乗りに行った。まだ秋のはじまりで、それほど寒くない。南風だと波が良いと理解していたけれど、どうもそういうことでもないと分かって、天気が良い日は、毎日、海の様子を見に行くことになった。 家から海まではクルマで20…

SYNBIOTE(共生生物)/湖を赤く染める。

思い通りになることは何もない。唯一、思い通りにできるのは自分自身ぐらいだ。その自分すらも思い通りにするには、訓練や技術やテクニックが要求される。 もし思い通りになっていると感じるのであれば、それは周りの環境に対して思い通りになるように働きか…

大切なものは何か。信じることはチカラを持つ。

大切なものは何か。ぼくにとっては、はっきりしていて「つくる」こと。これは生まれ持った才能だと信じている。信じることはチカラを持つ。ときにチカラは社会にとって邪魔なものになる。だからそれを抑えようとする。おまえは何者でもないと呪いをかける。…

10000年の反省。土器からやり直す。

地域で景観をつくるために桜を植樹した。夏には雑草が溢れて桜に絡まってた。9月になって一本づつ蔦を取り除く作業をした。やっと桜と向き合うことができた。そのとき「絡まる」という言葉の状態が目の前にあった。蔦は桜に絡まって倒してしまう。それは「…

言葉が照らし道を知る

言葉は光だ。暗闇を照らす。ぼくには地図が必要だった。なぜなら自分の居場所が分からないから。いや、いまの社会に自分の居場所がほとんどないから。だから言葉にして進んでいかないと道に迷ってしまう。迷ってしまえば不安になり、既存の社会の枠組みに安…

思考、活動、仕事、労働=人間活動について

昨日、久しぶりに宇川直弘さんのDommuneを観た。そのなかでハンナ・アーレントを引用して「ここで言う事ではないかもしれない。みなさん仕事をされてきているのに。ぼくはこのDommuneをずっと活動としてやってきた。これは仕事ではない。つまりハンナ・アー…

カタチのエロスは生命。

粘土で器を作っている。たまたま出土した粘土を陶芸家でもないのに器にしようとしている。何をしているんだろうと考えた。 思いついたのは、人類がしてきたものづくりをやり直しているという答えだった。新しい展開を迎えた。これまで「生活を作る」という表…

土に魅せられて

図書館に行った。本棚を眺めていると手が伸びる。それが今の自分の興味。同時に読みながらあれこれ考えを巡らせている。生きるための芸術を探求してきて、いまは土器に注目している。 「日本の色を染める(吉岡幸雄著)」によると明治時代までは色と言えば植…

開拓(カイタク)する「陶芸、色、紙」

3冊目の本を書き終えて次の物語が始まっている。廃墟を住居にして、荒地を開拓している。耕作放棄地を利用させてもらっている。ある意味で、日本の地方では合法的なスクワットが可能だ。スクワットとは、ヨーロッパで空き家や空きビルに不法侵入して占拠し…

廃墟と荒地の楽園ー最後の章に寄せて 

「生活する」から「生活をつくる」にライフスタイルを変えた。とくに変わったのは、会社で働いていないことだ。自分の仕事をつくった。ひとつは作品をつくって売ること。もうひとつは限界集落の再生。 「生活」をつくるために生活とは何か考えて分解して再構…

楽園に暮らしている

本を書いているから、日々の記録に向き合わなかった。けれど、実は今していることを自分で知ることが地図になる。現在地を記すことになる。地図をつくれば、迷うことがなくなる。何処へ向かっていくのか決めることができる。 お盆は、釣り人とサーファーで海…

井戸茶碗。井戸を掘った粘土で器をつくる。

やっと夏が来たと思ったらもうお盆。今年は夏が来るのが遅かった。梅雨が長かった。7月はずっと雲っていた。それはそれで曇った空の絵を描けた。日常にあるものを切り取って作品にしている。作品には絵のように売れるものもあるし、売れないものもある。 連…