いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

好きなことで食えないから夢を諦めるのか。

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ぼくはサーファーではないけれど、たまたま滞在制作でバリ島に来た。招待してくれたツトムがサーフィンを愛するばかり、ツトムの周りにサーファーが集まってくる。みんな波が大好きなのだけれど、波乗りは仕事にならないそうだ。そう簡単には。聞くところによると日本トップの女子プロでもスポンサーによる月収は13万円。それで生きていくのは厳し過ぎる。

 

例えば、ジンさんは大好きなサーフィンを続けるために30代半ばから40代を飲食店の経営に費やした。いまでは、大成功して、バリ島に移住してサーフィンをしている。

ジンさんの友人の佐竹さんは、大好きなサーフィンをずっと我慢して会社員をしていた。後輩は、自由な生き方を選んでお金を貯めては旅をしてサーフィンをしていた。ある日、後輩が死んでしまったのを機に、佐竹さんは会社を即日辞めた。大好きなサーフィンに没頭するために。けれど家族もいるから仕事をしなければならない。退職金をいろんなビジネスに投資するけど、上手くいかず、貯金も底付き、ヤフオクで買った品々を訪問販売するというハードコア自営業をしていたとき、友人からビットコインを勧められる。元手がないから、闇金融で100万調達して注ぎ込んだところ、なんと100倍になって佐竹さんは家族ごとバリ島に移住して、サーフィン三昧の暮らしをしている。

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我が親友のツトムは、アメフトを極めるためアメリカに単身渡るが、格の違いで道を閉ざされたが、サーフィンに出会い、波を求めてバリ島にたどり着く。この島に俺は暮らすという直感があったらしい。そのあと、バリ人の奥さんと結婚して、土地を買ったら、それが何十倍にもなって、現在はヴィラやゲストハウスを経営して、サーフィン三昧の生活をしている。

みんな波乗りがしたくて仕方がない。でもお金にならないから、どうやってサーフィンをやりながら生活をつくるのか、試行錯誤して生きている。まさに、みんな生きるための芸術家だ。

 

これは人生の哲学だ。

サーフィンではお金を稼げない。だから辞めるのか、続けるのか選択を迫られる。そのとき、好きなことを続けるにはどうしたらいいのか、考える。ぼくは、サーファーと話しながら、それをアートに置き換える。アートで食えないから辞めてしまうのか。なんでも置き換えてみればいい。バンドで食えないから辞めてしまうのか。小説で食えないから、映画で食えないから、アイドルで食えないから。

 

もし、そんな理由で、やりたいことを諦めてしまうなら、それまでの情熱しかなかったんだと思う。けれど、迷ったり悩んだりしているなら、続ける道を模索した方がいい。実際に、そうやって夢を叶えた人がバリ島にはたくさんいる。

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波を求めて、海へ行き、サーフィンを楽しむ。波がなければ乗れないし、タイミングが合わなければ、波に乗れない。よい日もあれば悪い日もある。

 

好きなことを続ける方法はある。

ネバーギブアップだ。

諦めなければ、

諦めた奴の分も手に入る。

(ザンビアの言葉)