いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

Time is not for sale.

1日の出来事。起きて活動しているのは16時間だから960分。時間はお金なのか。朝起きて、パンにバターを塗って砂糖をかけて食べる。牛乳の入ったコーヒーを飲む。起きて30分ぐらい過ぎる。

今日は9時50分から歯医者なので、それまでに市役所に月報を出す資料をまとめる。北茨城市で芸術によるまちづくりの担い手として、この地を拠点に制作をしている。この地を拠点にすることが仕事になっている。月報を完成させるには、アトリエにいく必要があるので、それは歯医者のあとにしてまず海にいくことにした。

f:id:norioishiwata:20180710082724j:plain

サーフィンをはじめてから海を観察している。家は晴れていたのに3kmしか離れていない海は霧の中だった。しかも波が高い。波の向こうは霧に消えている。なんとも凶暴な景色でカッコいい。

海の観察から歯医者に移動。完全予約制で診察時間も最大30分と決まっていて、待ち時間がない。スムースな歯医者さん。今日は10分で終わった。家に寄って、月報を完成させるためにアトリエにいく。アトリエで月報を完成させてメールした。そのあと、明日やってくる北茨城視察チームの方々へスケジュールの案内メールをした。

アトリエにきた理由はもうひとつある。ウナギの竹でつくった仕掛けをチェックしに川へ。これで3回目だけれど、今日も不在だった。ウナギは果たしてこの地域まで遡上しているのか。

家に帰る前に再び海へ。霧がどうなったのか気になる。やっぱり霧に覆われている。いつもと違う景色に目が冴える。周りの植物にまで興味が届く。

f:id:norioishiwata:20180710082937j:plain

家に帰ると妻チフミがお昼にパスタを作ってくれていた。昼飯を食べて、絵を描きはじめた。海で見た植物を絵にすることにした。雑草。ごちゃごちゃした草を整理して、それでも雑草の絵に見えるようにして、それでも何か心地よくて、なんなら、抽象画にも見えるような、そんな絵を求めて午後3時頃まで作業した。

雲が晴れて太陽が出てきた。暑くなってきた。よしサーフィンだ。車にボードを積んで海へ。誰もいない海へ。波が高い。ビビりながら波に向かってパドリングして、波に乗っても高すぎて落とされる、飲み込まれる、を繰り返した。ドキドキしてきて、一旦、浜で落ち着いた。波を見ていたら、割れる波の端っこなら乗れそうに思えてきたので再開。

いい具合に何回かトライしていると、やっぱり波に飲み込まれる。海面に浮き上がってサーフボードを引き寄せると、割れていた。割れてしまった。大切な道具が壊れてしまった。仕方なく、家に帰った。17時だった。チフミに「ボードが壊れた」と話すと「今日は波が危険だったんじゃないの?」と言われて、新しいのを買うとは言えなかった。

割れたボードの修理をネットで調べたらやり方があった。できそうだった。希望が見えてきたので、また雑草の絵を描いた。そうしているとチフミが描いていたダイヤモンドが完成した。

f:id:norioishiwata:20180710083109j:plain

夕食にチフミがつくった焼きうどんを食べて、また作業を再開した。9時くらいになって雑草の絵の下絵ができたので、ダイヤモンドの仕上げをすることにした。金属でパーツを組み合わせる計画。サイズとカタチをスケッチしでデザイン画を完成させた。そのパーツをオーダーメイドしてくれる会社をネットで探して、4社から見積もりを取ることにした。0時。

サーフボードは割れたけれど自分で直せそうな気がするし、新作のダイヤモンドが完成したし、まだパーツとの組み合わせが終わってないけれど、雑草の絵も前から描きたかったイメージに近づいてきたし、ぼくたちの作品を所有しているエジプト人から、引っ越して部屋のよいところに作品飾っているよ、とメッセージが来て、作品がいまも愛されてて嬉しくて。まあ、いくつものマイナスとプラスがあって結果は、よいのか分からないけど、いま寝る前、充実している。

f:id:norioishiwata:20180710083202j:plain

作品をつくって価値をつくる。時間はお金なんかじゃない。1分1秒が人生をつくる資源だ。時間は資源だ。鉱物の原石。磨かず売れば、それだけの価値しかないけれど、時間の使い方次第で、人生をダイヤモンドにも変えられる。