いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

One of thesedays 80

朝起きたら友達のガレージだった。昨日、ワールドカップを観ながら飲んで、ここで寝てしまった。明け方に起きて常陸太田市から北茨城市まで帰って、朝から老人介護施設で旗づくりをやった。旗づくりは、誰でも参加できるので、こうした施設からのオファーが増えてきている。旗づくりはチフミが中心にやっている。毎回テーマを決めて消しゴム判子をつくって、旗になる布を集めたり、切ったりの準備をしている。

施設に入ると「105歳誕生日おめでとう」の飾りが目に入った。105歳。今から105年後はどんな世界になっているだろうか。
職員の方は
「女性の方が圧倒的に長生きしますね。あと、女性が入所したら男性は甲斐甲斐しく面倒を見にきますが、男性が入所した場合は、女性はほとんど来ません。それから平均寿命が女性の方が8年ほど長いので、女性は8歳下と結婚するとちょうどいいんです」
と高齢者あるあるを話してくれた。

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旗づくりのやり方を説明すると、職員さんたちは「できるかしら」という顔をした。車椅子のご老人がひとりふたりと現れて、総勢12名が参加した。

チフミのつくったスタンプを押していく。次第にマジックで絵を描いたり、詩を書いたり自由な表現になっていく。1枚2枚と数を重ねていくうちに個性が出てくる。むかしやっていたことが旗の表情をつくる。うまくやろうとか邪心がない。純粋過ぎて批評の余地もない。つくってくれた旗をひとつずつ飾っていけば、ギャラリーが現れる。

絵が上手いとか下手とか関係なく、そこに現れてくる自由なカタチに魅力が溢れている。到底及ばない生きているアートがここにある。1時間30分ほどで100枚の旗をつくってくれた。職員の方々も驚いていた。表現は、誰にもできることだけれど、それを常識や目的が制限してしまう。考えるほどできなくなる。無邪気な絵は心を洗ってくれる。

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この旗づくりは、去年、北茨城市に来てすぐに、地域おこし協力隊の都築響子さんと一緒に始めた取り組。やりながら、工夫していくうちに、興味を持ってくれる人が増えて、いまでは出張して旗づくりをしている。目標は10kmで、未だ200mほど。数パーセントしか成果を出していないけれど、それをみんな面白がって協力してくれる。目標はバカでかい方が理解される。

お昼は、北茨城市役所の食堂で海鮮丼を食べた。7月2日で閉店してしまうので残念。ここの食堂は安くて美味い。大津港駅前の太信という和食屋さんが運営しているから、リーズナブルに地産の魚が食べたい北茨城旅行者にはおススメのお店。

午後。美容室のタイル貼りのバイトのためにホームセンターから借りた道具を返却していなかったことに気づいて、常陸太田市へ向かう。片道1時間。大雨のなか移動して返却してホッとすると、ヤフーモバイルのお店をみつけた。ちょうど、使っている携帯がPHSで2020年にサービスが終了するから、変更する必要があったので、機種変更してもらった。携帯の契約は、いつも不信感でいっぱいになる。安くなるはずが、なんだかんだ値段がプラスされて料金はあまり変わらない。もしくは高くなる。これはサービスより詐欺に近いと思う。

 

帰り道、高萩の漫画喫茶に寄り道して、漫画を読んで頭をからっぽにした。帰宅して飯を食べて寝た。何も進まなかったような日だった。でも毎日文章を書いて80日が過ぎた。悪くない。