いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

One of these days 46

楽しい時間を持つこと。朝から作品づくりできるのが嬉しい。8時にアトリエ古民家Arigateeにいく。作品をつくりながら、いろんなことをしたい。アメリカで一緒に滞在制作したマーク・レディンは、絵を描きながら、遊びながら、お喋りしながら、作品を生み出していく達人だ。

ウッドパネルをつくった。チフミは草刈をはじめた。10時に師匠こと有賀さんが現れ、地域の人気者スミちゃんも現れた。お茶飲み休憩。有賀さんは、この家で生まれ育ったから、この地域に詳しい。

👣

「子供のころは、周りの山を歩いて回ったよ。あの山は小さな水晶が採れるよ。あっちの方には、鉱山があって金が採れたんだよ」

「今もとれますかね?」

「少しくらいはあるんじゃねえのか」
金が獲れる集落。ヤバい。ゴールドラッシュ。

「あと、6月9日に小川でハイキングやるからよかったら来な。9時に花園キャンプ場集合だから」
有賀さんのハイキングは名前ほど軽くない。道なき道を歩くワイルドスタイル。絶対にいくべき。

🌲

スミちゃんは、木の実やら花の種をビニール袋に入れて持っている。なかからいくつか出して教えてくれた。どんぐりはナラの木。「芽が出てるから植えるんだ」と話した。

お昼まで草刈をした。あちこちの家からも草刈りをする音が聞こえる。地面から生える草を刈る。一時間ほどやって、昼前に金鉱があったと言われた方向へ自転車で向かってみる。けれど、あっという間に行き止まりになった。山に入っていかないと金鉱はみつからない。新しい遊びをみつけた。

午後に大子町の役所の方と副町長さんが見学に来る。大子町も北茨城同様に「芸術によるまちづくり」に取り組んでいる。

そのあとコラージュした。久しぶりに女性をモチーフにしたジャズシリーズをつくる。ジャズシリーズは名前の通り即興的につくる。考えずに、手を動かして、閃くアイディアをカタチにしていく。この流れで10点ぐらいつくりたい。

スミちゃんが、友達とまたやってきて、自転車をみて「オラの畑に誰か入ってくから、誰だってみんなで話してたんだよ。ウンコする場所探してんでねえか、って。なんだ石渡さんか。笑ったよー。」

スミちゃんが、来年桜を植えるから花見のポスターを作ってな、と言ってくれる。80歳を超えたスミちゃんは、あと20年は生きるという。スミちゃんの桜で毎年花見ができるのは楽しい。

「何もない」は
なんて面白いのだろう。
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