いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

One of these days 32

4月30日
月曜日
朝6時起きる。

日本、北茨城に帰るため、ボストン空港へ。
離れるほどに、魅力や大切なことを思い出す。プロンビンス・タウンの美しさ。流されるのではなく、流されないまちづくり。コンビニエンスストアやチェーン店は出店させない。代わりに個人商店を保護する。家々の外観を保つ。

東京ではなく、北茨城だからいまできる自分の活動を思い返す。いかに自然のなかにアートを開拓するか。これは、滞在制作の手法にも繋がる。

日本だけでなく世界に拠点、交易する手段を持てば、生き延びることができる。それには、アートという世界に通用する価値をつくる技術を手に入れること。そのためにあらゆる可能性と境界線を越えて挑戦していく。できないことを喜ぶ。拙さを恐れない。思いついたことを即行動する。それが人の役に立つこと、必要とされるものであれば、対価が支払われる。それは賭けでもある。人が必要とするものの多くは、理想の未来に必要なものではない。それを証明する道具が芸術だと思う。

 

例えば映画。
13時間のフライトでずっーと映画を観ていた。7本。

 

the post(邦題:ペンタゴン・ペーパーズ最高機密文書)
70年代。ベトナム戦争に関する政府の機密文書が公開される。それを巡る政府と新聞社の闘い。新聞社の葛藤を描く。この映画そのまま日本の現状でもある。監督のスピルバーグは日本の状況に対して描いたのではない(と思う)。けれでも当てはまってしまうのがアートの力。そういう眼差しで時代を切り拓いている。

black panther
ブラックムービー。SF。最近読んでいた本「ゾミア」にも通じていた。貧しい後進国が実はハイテクな最新技術を持っているという展開。主人公もブラックなら出演者もほぼブラック。アフリカをイメージする衣装や音楽。全編がマイノリティーを代弁している。

ドラえもん-Stand by me
のび太くんの家にドラえもんが来て帰るまでをこの映画版として再構成。クラシック過ぎて泣けた。愛とか友情とか、夢、自分を信じるとか。そういう大人が捨ててしまう大切なことが描かれている。英語字幕で観たら、英語レベルがぴったりだった。のび太くん可愛い。


アートは何かを伝える道具だと思う。映画は総合芸術だけど、絵画はひとつ。その画面で映画ほどの何かを伝えることができる。欠けている部分を想像が補う。


飛行機のなかで映画を観て、一睡もしなかった。着いたら5月1日の午後3時。長い一日。さすがに眠い。夜7時に家に着く。そのまま爆睡。

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