いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

毎日の仔細なことを書いていたら追いつかないが、これこそがぼくの畑だから耕して価値を育てる。

絵をつくりたい。とは考えているものの、それ以上に生活をつくり変える作業に追われている。
成り行きで、譲ってもらうことになったクライミングジムのマットやホールドを津島に持っていくトラックの手配をした。その費用をつくらなければ。
ザンビアでお世話になったアーティスト、カリノシの個展費用200ユーロの送金する出費もある。でもこんなお金の使い方できることに満足している。

荷物を減らして身軽になるため本の整理をした。古本屋に取りにきてもらい18000円になった。20000円になったらいいな、と期待していたので程よい結果。売り忘れたFrankZappaとBobDylanの本があったのでDisc Unionに持ち込み、2冊で3600円になった。出ていくお金がある一方で、収入もある。追いかけっこだ。

いままでインプットしてきたモノや情報の棚卸しをしている。断捨離だ。必要なものと要らないものを分類して価値があるものは売る。自分の家にはまだお金になるものがあった。CDやら本やらで5万円近くになった。

お金をつくるとは、価値を発掘すること。いまFacebookで指名され5日間3作品を掲載し続けている。まだ誰も評価してくれなかった初期の作品に「いいね」という人から欲しいという人まで現れた。15年近く作品をつくり続けたことが価値を生み出している。

ヒトカラメディアという会社と打ち合わせした。お互いの取り組みを自己紹介した。ヒトカラメディアは、都市、地方、仕事をテーマに企業の2拠点展開をビジネスにしようと企んでいる。彼らはターゲットの規模も掴んでいて、代表取締や決裁権ある人間が決められる環境にあること。社員は20〜30名程度で、お互いが顔を知っている家族的なこと、と教えてくれた。

小さな企業では深刻な人手不足が続いているらしい。情報ありきの若者たちは知らない会社に興味を持たないし信用しない。だから企業も個性と魅力を打ち出すために、工夫を凝らしている。その手伝いをヒトカラメディアはしている。
すぐに何か取り組みが始まる感じはないが、彼らのマーケティングのアンテナの範囲に空村はあるらしい。

夕方、月末に代々木公園で開催されるイベント春風でのトークの打ち合わせに六本木の弁護士事務所を尋ねた。
トークのテーマは風営法によるダンス規制。これまでの闘いと取り組みの成果で、新しい法案に変わるところまで来たらしい。しかし問題はここからで、法案の中身によってはより悪い結果になることもあり、まだ油断できないという。

弁護士先生は新しいことをやろうとすれば法律の壁にブチ当たる。日本には、その壁を壊す体質がない。アメリカのgoogle新しい事業を立ち上げるとき、必ず弁護士がついて必要があれば法律を変えるために闘う、と教えてくれた。

素朴な疑問、風営法の問題をどこに依頼され、報酬を受けているのかを質問した。ほんとうの問題は、お金もないところにあるから、風営法に関してはボランティアだそうだ。弁護士先生は「海賊たちのジレンマ」という本を勧めてくれた。新しい文化が起こったとき、どう規制と折り合いをつけるのかについて書いてある。

毎日の仔細なことを書いていたら追いつかないが、それでも、ここに現実があり、これこそがぼくのドキュメントだからメモを続ける。どんな情報よりも、ここに価値が埋もれている。ぼくの大好きな本、ボルテールカンディードでこう書いてある。「自分の畑を耕しなさい。」

夫婦で作品をつくる
コラージュ・アーティスト
檻之汰鷲(おりのたわし)
http://orinotawashi.com/

生きる芸術のための生活者
石渡のりお
norioishiwata@gmail.com