いきるための芸術の記録

荒地と廃墟の楽園より

やると決めたことはやる。 約束を守る。 必要ないことはやらない。

いくつも仕事を抱えて忙しくなると、会う人に対する礼儀や熱を欠いてしまうことがある。自分は、そんなつもりがなくても、相手の方が本気度が高ければすぐに見透かされてしまう。問題や関心事への当事者意識がどれだけあるかで、結果は明らかだし、場合によってはそれがトラブルを起こす原因にもなる。

生きるためにやらなければと思い込み、より多くの人とネットワークをつくらなければと(それこそがビジネス的な思考なのかもしれない)、動きまわって、出会いをみつけ、チャンスを取りこぼさないように懸命に繋がりをつくろうとしている自分がいる。
問題は、本気でやることとネットワークを広げることは、矛盾してしまうこと。しかし矛盾点こそが本題への入り口だ。矛盾こそが、この世界の本質だと思っている。

ぼくは2014年に3つの目標を立てた。
1. アトリエをつくること
2. 本を出版すること
3. 作品を売る流れをつくること
夢や目標は予想外なカタチで実現していることがある。小さかったり、ズレがあったり、当たり前過ぎて気がつかないなど。

アトリエは空村(愛知県津島市)につくることになった。その意味で目標は達成できる。しかしプロジェクトは到達点を遥かに超えて大きなものになろうとしている。むろん、望むところの結果だが、どのように終わるべきか、そのカタチを自分は考え始めている。


本を出す計画は、ひとりの出版者に出会い「ぜひ本にして世に出しましょう」と返答をもらった。出版することは、終わりではなく始まりだった。
「どのようにして売っていくのか。」
本を出すそもそもの目的は、ぼくが旅で体験してきた世界の暮らし方から発見した「生きる芸術」を伝えること。つまり、人生の選択肢を増やして未来を豊かにすることだ。その意味では、共感して共に活動できる仲間に出会えたことはひとつのゴールでもある。あとは、どうやって実行していくのか、そのプランを描き実行するだけだ。

作品を売るシステムについては、いまは1と2の作業で疎かになっている。いくつかの事を平行線で進めるから、お互いに影響し合いよりよい結果をつくることができる。WEBSHOPの開店を準備しているのは3に対してのアクションだ。欲を言えば、ギャラリーとの交渉を進めたいのだが、イマイチ気持ちが動かないのが現状。アートを作品にして高く売れればいい、その考え方にまだ納得できないでいる。その考え方を誰かに壊して欲しい。

こうやって書いてみると、自分の考えが錯綜しているのが分かる。いま一度、自分の立ち位置や環境を整理した方がよいと感じる(直感以上に正しいものはない)。つまり、ある目的のためにやっていることが、お金のためや必要以上の打算のために疎かになっている。

もし、ぼくが誰かと関係を持ちながら、相手の熱を超えていないのなら、それはやるべきことではないのかもしれない。その相手と付き合うことで、なにをしようとしているのか。もしくは、気心知れた仲間でそんな計算も必要ない相手なのか。

つまり、こういうことだ。
やると決めたことはやる。
約束を守る。
必要ないことはやらない。
当たり前のこれさえできたなら、世界はどんなに住みやすくなるだろうか。

 

夫婦で作品をつくる
コラージュ・アーティスト
檻之汰鷲(おりのたわし)
http://orinotawashi.com/

生きる芸術のための生活者
石渡のりお
norioishiwata@gmail.com